■短評
「灼熱の魂」の直前のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。実際の事件をモチーフにしたからかどうか、邦題のように淡々とおとなしめ。
■あらすじ(アマプラ紹介文より)
カナダ・アカデミー賞(ジニー賞)で歴代最多9部門受賞。『メッセージ』『ブレードランナー2049』でいま最も注目される監督ドゥニ・ヴィルヌーヴの原点とも言える渾身の一作。 1989年12月6日にカナダのケベック州モントリオールにあるモントリオール理工科大学で起きた銃乱射事件をモチーフに描いた社会派作品。
■総評
これもカナダで高い評価を受けた作品。この後、あまり間を置かず「灼熱の魂」が公開された。本作よりもっと深く遠慮なく視聴者の魂まで抉っていく次回作になったのには、本作が実際の事件をモチーフにした作品ということで、多少不自由さでも感じていたからだろうか?僕が先に「灼熱の魂」を先に観てしまったせいで、刺激の感覚が麻痺していたのか分からないけど、本作はある人間の凝り固まった不条理で身勝手な思考の行き着いた先の出来事という内容で割りとシンプルで、ドキュメンタリーさながらの進行が却って物足りない面も。ただ、こういう考えを持つ人は現代でも割りといそうで、あんまり自分勝手なマイナス思考の責任転嫁で突っ走らさないようにしようね、という教訓になるかも。人によっては事実の悲惨な事件を基にしているということで低評価を付けづらく高評価に繋がる場合もあるかも知れないが、興行作品ということで個人的に評価するなら僕は余り高い点数は付けられない。被害者に重きを置いて犯人の心情に迫る部分が少なく、シンプルにあまり面白くなかった。