どこのサイトでも余り評価が高くなかったこの映画。
でもやっぱり、映画って好みだなあ。僕は大好きだし、観終わった後に色々と考えることでこの映画はもっと奥深く感じると思うんだ。
ネタバレで書くので注意してください。
あらすじ(Wikipediaより)
2038年、ジョージ・アルモアは山中のラボで人間と同じ能力を有する人工知能の開発に没頭していた。ジョージは完成まであと少しの状態に漕ぎつけていたが、そのあと少しを作り上げるのに悪戦苦闘していた。と言うのも、ジョージの目的は単に優れた人工知能を開発することにはなく、亡き妻、ジュールスを人工知能という形で復活させることにあったからである。やがて、ジョージはジュールスの復活に成功したが、その再会はジョージが思い描いていたようなものにはならなかった・・
「死んだ人の魂をデータ化してアンドロイドに移す」ネタとか、最後のどんでん返しとかはどこかで見たような感じではある。
で、「ありがちなネタとよく見るオチじゃーん」で終わらせてしまうと、この映画はもったいない気がするのだ。
「実は主人公が死んだあとのアーカイヴであった」という観点で映画の最初から思い起こすと、死なせてしまった(実は自分が死んでる)妻を再生させるために、死してもなおその事に取りつかれている主人公の愛の一途さ、悲しさが一層切なくなる。
そして、その中で出てきたアンドロイドたちは、一体どういう存在だったのか。
そして、実は生きている妻と娘が、一体どのような思いでそんな夫、父と会話をしていたのか。
そんなことを観終わった後に考えると、深夜なのについついその感想を書きたくなって仕方なくなってしまった。
死者のアーカイヴを残せる契約期限と重なる、主人公の研究のタイムリミット。
最後の電話を取る一瞬前。
研究所に押し迫った、大事な研究を終わらせる敵?が実は虚像であったことで、主人公は実は、真実に気づいていたのではないか。
それでも尚、彼は最後の電話を取る。
電話が切れた後の世界で、彼は、アンドロイドたちはどうなったのか・・?
そして、結局アンドロイドたちとは、一体どういう存在だったのか・・?
悲しい主人公を慰めてくれるアンドロイドは、最後の電話を「取らないで」と懇願する。
彼女たちは、主人公に生み出された存在でありながら、実は自分たちが存在する世界のことを、そして彼の悲しみを充分に理解し、彼を愛していたのだ。
J1も、J2も、もちろんJ3も。
彼女たちを、ロボット工学者であった主人公が死した後に生んだ想像の産物、虚構であったと考えるのはつまらない。
何故ならJ3(最後に生まれたアンドロイド)は、最後から2本目の電話で、生きている妻と会話しているのだ。
じゃあ一体、彼女たちは・・・?
とまあ、色々と想像しないと。
「ありがち映画」で終わらせるには、もったいない作品だと思うのですよ。
実は相当にスピリチュアルで、ホラーな映画だったのかも知れませんよ。