この映画を鑑賞したのは随分前なのだが、未だにAMAZONプライムで観られます。無料!
是非この作品を観て、「邦画もいいもんだなあ」「安藤サクラって、すげえな」と感じて欲しい。
あらすじ
32歳、実家で絶賛引きこもり中の長女、主人公の一子(安藤サクラ)。
ある日、離婚して出戻ってきた妹と大喧嘩になり、一子が出ていくことに。
出るにあたってそれなりの金額を母から渡されたのだがすぐに底をつき、仕方なく100円均一商品のコンビニでバイトすることに。
コンビニの客、従業員。全てが自分と同じような底辺ばかりの環境の中、近くのボクシングジムで汗を流す中年ボクサー(新井浩文)と知り合う。
そして彼の引退試合に強い羨望を感じた一子は、自らもボクサーの道を歩む・・・
とにかく、安藤サクラという人が物凄い女優さんだということが実感できる。
物語序盤の、その性格に準じた自堕落にたるんだ体型も、ボクシングを始めて「勝ちたい」という意識が芽生えてからは、みるみるアスリートのそれに。
体型だけでなく、動きも「子供の頃からやってました?」と思わせるかの如くシャープなフットワークに素早いコンビネーションパンチ。
「このボクシングで、試合で勝つことによって自分は生まれ変わることができる」
言葉には出てこないが、そういう覚悟が自然と観るものに強く伝わってくる。
安藤サクラが、それを観るものに伝えてくる。
ボクシングで強くなったから、痩せたからそれで終わりじゃない。
勝たなければいけないんだ。勝つことで、過去も未来も、きっと全てが変わるんだ。
最初で最後になるであろう試合。
ハリウッド映画だったらロッキーばりの大団円な終わり方になるかもしれないが。
そこはきっと邦画やマイナーな映画だからこそを感じさせる、甘酸っぱいようなちょっとだけ苦いような、でも可愛いようなラスト。
ここで、「百円の恋」というちょっと可愛らしいタイトルも割り増しで活きてきた気がした。
引退したボクサーと引きこもりだった一子。
この二人が、いい年をした中年であるということにも、このラストに尚更「可愛らしさ」を覚えてしまう。
大好きな映画の一本です。是非。