アラフィフの僕がこの手の映画を観たのは、「ビーバップハイスクール」以来のことだろうか。
ビーバップと同じく、漫画の実写映画化。ストーリーは完全オリジナルらしい。
中身は、ビーバップの頃と全く何も変わっていない。
ただ、原作漫画は割と違う。ビーバップはツッパリ高校生の日常やギャグなども多かったのに対し、クローズでは喧嘩一辺倒で、格闘漫画のような趣きだ。
もちろんビーバップでもクローズのように、喧嘩抗争を主に取り上げられる回もあって、人気があって映画になったのもそこだった。
現代のビーバップであるクローズは、その部分をより濃く抽出した漫画であり、熱狂的なファンがいるのも頷ける。
しかしながら、現実世界に及ぼす社会的影響は格段に低かったと思う。これも時代か。
あらすじ
喧嘩の実力が全ての鈴蘭高校に、3年生で転向してきた主人公、滝谷 源治(小栗旬)。
ヤクザの組長の息子でもある彼は、同校を制覇することで、父から組を譲り受ける条件を飲ませており、転向早々に喧嘩に明け暮れる。
その頃、制覇に一番近いと思われていた「怪物」と呼ばれる芹沢 多摩雄(山田孝之)ほか、頂点を取るには数多くのライバルが存在した・・
ビーバップがまさに世代バチンコ合致していた僕の時代。なつかしくこの映画を視聴した。
学校中の男子生徒がボンタン、短ランだった。服装検査もほとんどなかったように思う。
ので、学ランも極端に短かったり、ズボンも極端に太かったりしなければ、先生も特に注意もしなかった。
それがカッコいいと思っていた。
これが当時、ビーバップが与えた社会的影響、現実世界の高校生に与えた影響の大きさだ。
一方、今の子供たちは真面目だ(少なくとも僕の住む地域では)。
定期的に実施される服装検査を気にして、キチンと散髪にもいくし、標準の学ラン・ズボン以外を着用することなど夢にも思っていない。
暴力やケンカなんて思いもつかない。クラス一丸となって、運動会や文化祭にも全力だ。
もちろん、都会など一部の地域の成人式などの映像を見ていると、未だにビーバップやこのクローズやってます、みたいな若者がいたりする。
でもきっと、すごーく少なくなっているんだと思う。
「不良はカッコ悪い」これが、今の子供たちの認識だ。
もちろんこれは良いことなのだが、ひょっとしたら子供たちに「そんな踏み外した学生生活を送る余裕はない」と、プレッシャーを与える世の中になっているのかも知れない。
で、ようやく映画の話に戻って。
主人公は小栗旬だが山田孝之の存在感が強かった。やっぱりいい顔してる。いい顔は、存在感がある。いい顔に生まれたら得だねえ。