私は、毎月父の月命日にお墓参りと仕事の為に京都の実家に帰っています
その時に実家の前を朝夕必ずお掃除します
そうしますと、いつの間にか人が集まり、お話会(井戸端会議)となるのです
その中で、一人のお婆さんが、嬉しそうに皆さんにこんなお話をされました
私の息子は一人者やけど家を建てた
優しいし、よく実家にも帰って来てくれる
私はちょっぴり羨ましく思い、いいな…と思って聞いていました
私の友人からも、息子に旅行に連れて行ってもらったや、息子にお小遣いを貰った等、そんな事も耳にします
そっか…
私はもうそんな年齢なんだ
安定した職を持つ社会人となる子供が居る年齢なんだ
と、お話を聞きながらしみじみと思いました
…
借家住まいのお婆さんは、本当に嬉しそうに息子さんの事を話されていました
お婆さんは昨年ご主人様を亡くされたので、今は頼るのは息子一人
お婆さんは息子さんと二人で息子さんが建てた新築の家に住む事を夢見ておられました
でも、お婆さんはその後もずっと一人暮らしでした
それからある日、お婆さんと息子さんが実家で大喧嘩をされたそうです
内容は、なんで一緒に暮らせないの?
何で一緒に暮らさなければいけないの?
でした
つまり、お婆さんは息子さんと同居をするつもりで、ご主人様を亡くしてからは新しい生活を夢見ておられたのです
でも、息子さんはご自分一人の生活を選ばれ毎日を堪能、現在はお婆さんとは疎遠となられています
昭和の時代では、親の面倒(親の面倒を見れる環境にある人対象)を見ないなんて考えられませんが、今は苦労をして育てて貰った親に対して、感謝の気持ちや情ではなく、事務的に接する子供も少しずつ増えて来ているのかな…と思いました
お婆さんはきっと心細い思いで現在もお一人暮らしをされてるのでしょう
そう思いますと、お気の毒にも思えます
年老いてから、我が子に依存心を持つのは当たり前ですね
特にお体に悪い箇所をお持ちの方は不安感もお持ちだと思います
でも、もう子供が親の面倒を見る時代では無いのかも知れません
今はデイサービス等があり、ご老人は毎日を快適に(そうでない場合もあります)お過ごしですね
お婆さんには大変お気の毒ですが
これからも、お婆さんの夢は叶いません
きっと神様は別の道をご用意して下さっていると思います
どうか元気を出されて下さい
そしてまた、別の新しい夢をお持ち下さいね