赤や青色の皮膚をして、角があり二本の牙を持つ
でも、実際その姿を見た人は無く、童話の中や人が作った人造の物(絵画含む)の存在しかありません
では、今も語り継がれる鬼は誰が見てどこから生まれ出たのでしょうか？
鬼の正体
鬼とは人間の心の表れなのです
普段は表れない鬼の心
あの恐ろしい形相は、人の心が鬼と化した時の顔なのです
よく聞いたり読んだり致しますね
鬼、鬼畜、悪鬼、
これは、全て鬼と思える人の行為や行動を見た人が感じたものなのです
私の生みの母親は、まさにその鬼でした
私は鬼という文字を見ますと、即我が母親が目の前に浮かびます
私が祖母になり、孫や娘夫婦を想い娘達が大変な育児の中、少しでも心が和む様にと色々な品を送ったり、また娘夫婦からも送って来てくれたり、優しい心が通い合います
これが親子の情というものです
ですのでここに鬼は存在しません
これは皆様もご存知の私の実話ですが、私が専業主婦で初めての子供が生まれました時、当時は生活も苦しく振り込まれた夫のお給料の仕訳をしましたら、一ヶ月の育児費と食費は合わせて4万円しか取れなくて、生まれたての長女を抱いて本当に困っていました
すると、ある日母親がいきなり私の自宅を訪ねて来て、A化粧品の販売を始めたから洗顔とクリームセットで
16500円や、今日は給料日やろ？買うてやと言い、ミルクとおむつ代の仕分けしたての袋からお金をむしり取り、あんたは私の娘やから試供品付けるわ
これもお母さんが買うんやで
と、小さな小さな試供品を一つと使わない洗顔とクリームを置いて10分ほどで帰って行きました
その時の母親の姿は鬼に見えました
話し方も氷の様な心も全てが鬼
生活費4万円のうち16500円を持って行かれ１ヶ月23000円で食費とミルク代をやりくりしなければいけません
当時の私の夫は、初めての赤ちゃんが生まれ父親になったばかりなのにギャンブルにのめり込み、借金をし始めます
私の父は出張ばかりで会えない
お金が無い、ミルクが買えない
そんな状態で二人目が生まれ
私はノイローゼになり、薬漬けとなりました
病院の先生が実家へ帰りなさいとおっしゃり、子供二人を連れて実家へ帰り母親に説明しましたら
ざまぁみろと言われ、泊まりたかったら１日3000円払いやと玄関口で怒鳴られ、くやしかったのでまた子供二人を連れてバスで帰りました
あれが鬼なんだ
あれが鬼畜なんだ
私は心底そう感じました
普通なら、痩せ細った娘がフラフラになって孫を連れ、一時間半もバスを乗り継いで帰って来たなら、びっくりして家に上げて何かを食べさせますね
もう夕方でしたので泊まって帰りなさいとも殆どの親なら言います
でも、私の母親は孫も家に上げさせず、子供にお水一口さえ飲ませてくれませんでした
鬼の言い分は
手土産も持たずいきなり現れたら
こっちも迷惑や
せっかく掃除した家が散らかるやろ
でした
…
血も涙もないとはこの事をいいます
私はこの30年前の体験が、今でも心に息づき、困っている人やお腹を空かせている人と遭遇しますと、いてもたってもいられなくなります
鬼と接触し、鬼を観察する事で
私はかなりの人生勉強を体験致しました
その鬼は今、痴呆となり施設にいます
痴呆なのに私の姿を見ると睨み付けて来ます
ですので、私は鬼の面会は兄に任せ
今は接触していません
鬼は人の心に住んでいる
目には見えませんが、感じ取り、それを映像化したものが鬼なのですね
この季節に何故鬼が浮かんだのかな？
ふと考えましたら、先日鬼の形相をした個体の夢を観たからだという事が分かりました
これからも、この私が心に受けました深い傷は消えませんが、このお話しを残す事により、何か皆様の気付きのお役に立てればと思います
人に意地悪をしますと、自分では気付きませんが、相手からは意地悪をした人は鬼に見えるかも知れません
そう見えないかも知れません
これも個人差がありますからね
長生きしてねとずっと大切に思ってきました父が先に亡くなり、
鬼はまだ生きています
憎まれっ子世にはばかる
まさにその通りなのです