私は 二十歳過ぎの頃に父から頂いた腕腕時計を今も毎日はめています
頂きましたのは 実家の応接間でした
…
これをお前に渡す
お前の物だから これから大切にするんだよ
そう言って父は私に赤くしっかりした箱を渡して下さりました
開けてごらん
にっこり笑顔の父
私は緊張しながら箱を開けますと そこには金色に輝く腕時計が入っていました
父は更に笑顔になり
お父さんとお揃いなんだよ 早くはめてごらん
父は私を急かし 私は急いで腕にはめてみました
なんて優しい肌触り
なんて優しい色
私はうっとり見つめていたものでした
…
そんな思い出深い私の腕時計
昨日 朝起きましてから 腕時計が無い事に気づきました どこを探してもありません
精神を集中し腕時計の波動を探しましたが 一切感じません 私はそこで初めて この家の中には私の腕時計がないという事に気づきました
昨日腕時計と一緒にはめていましたブレスは2つきちんとあります
私はブレスを外しました時 どうして腕時計が無い事に気づかなかったのか 大変悲しい気持ちになりました
私はとにかく冷静になり、昨日の記憶を辿ってみました
…病院のリハビリテーション
私は4年ほど前に指の神経を10本とも傷めてしまい 神経の回復の為 リハビリに月二回病院に通っています
吉田さん そう呼ばれ 医療器具のある椅子に座り そこでブレスと腕時計を外し 鞄の中に入れてあるカーディガンの中に包みました
治療が終わり ブレスを二つはめ カーディガンを羽織り リハビリ施設を出ました
そこで ブレスの記憶は途絶えます
(@_@)あっ
腕時計は病院にある
カーディガンを羽織った時に落としている そう確信し私は急いで病院へ電話をしました
お父さんごめんなさい ごめんなさい そう考えていますと 呼び出しコールが鳴り
はい ○○クリニックです
昨日リハビリを受けた者ですが 腕時計の忘れ物はございませんでしたか?
そう問いました
どんな時計ですか?
その質問に私は腕時計の特徴を伝えました
お名前は?
吉田です そう言いましたら
あ~ 吉田さん 預かっていますよ 大丈夫ですよ
そう言って下さりました
…
良かった お父さん!
自分の分身でもある腕時計
今 手の中に帰ってきてくれた事は奇跡に近い
そう感謝の気持ちで一杯です