先日の子供達のお誕生会
急遽 飛び入りでお客様が一人 来られる事になりました
奈々の実の父
唯 奈々 お父さんが来るって言ってるわ
子供達にそう伝えますと 奈々はプレゼントがもらえるから喜んでおりましたが
唯は違います
父から虐待を受けていた為 二度と顔も見たくないのです
唯が就職しました時 一度だけ 父を許し食事をしましたが
二度と顔も見たくない
そう言っておりました
…
唯 人は変わって行くものなのよ
許してあげましょう
お父さんは 私達と別れてから 本当に何気ない存在の家族がどれほど大切なものだったか やっと分かったのよ
妻の作るお料理が
一番美味しいという事も 妻の私を無くしてから 初めて気づいたのよ
唯 お父さんは 優しくなったわよ
それはそれで受け入れてあげましょう
そうすることによって あなたが今、他の人との 人間関係でしっくり行かない部分が ほぐれてくるのよ
全ては合わせ鏡
全ては相対
許してあげましょうね…
そんな会話をしていると 奈々の父が家に到着
パーティーのお料理を 一緒に食べ始めました
唯は初めは話しませんでした。でも 奈々の父が
「うまい 美味しい もっと食べていい? ありがとう」
この 信じられない言葉が父の口から出たのを聞いた唯は
お父さん どうしたの?
今まで お母さんのお料理を 一度も誉めたことも無かったし ありがとうも言ったことがなかった
いつもお母さんを無視して 彼女とメールしながらご飯食べてたのに …
父親の変貌ぶり
唯は本当に驚いていました
唯 お父さんは 私達と別れてから 家族を無くし あれだけ好きだった彼女も お金がなくなった途端 父の元を去り 本当に大切だったものは 何だったのか
何でもない存在の家族 妻の料理 家の灯り…
やっと気づいたよの
だから 人として、許してあげましょうね …
奈々の父は
奈々には服とリュック 唯には欲しがっていた 掃除機をプレゼントしてくれました
これには唯は二度驚き
お父さん どうしたん? 私にプレゼントをくれるなんて!
と 目をまん丸
人を許せるという事は 自分の流れも変わります
何時までも辛い過去の殻に閉じこもっていては
人生の先は開かない
唯 お父さんを許してあげましょうね
唯は そっとうなずきました