私は二十歳代の頃
お寺で パソコンに戒名を入力するアルバイとをしておりました
当時 パソコンは市場に出始めたばかりで 一台240万円ほどしておりました
何百年も前の方の戒名
前にも一度書いたかも知れませんが
お母さんと赤ちゃんの連名が多くありました
和尚様にどうしてですかと尋ねますと
出産時に母子とも亡くなってるからですよ
…
今も昔も女性にとって 出産は命がけですが 昔は医療が追いつかず 大切な命も沢山失われていたのですね…
お寺の和尚様は奥様と、とても 仲良しでした いつも和尚様の横にちょこんとお座りになり お饅頭を美味しそうに 召し上がっておられました
奥様は精進料理を作るのがとてもお上手でした
その中で一つ…
今は亡き奥様の笑顔を想いながら
本日は あの味の出し方をブログにアップ致しますね
それはたった一品
京豆腐を水切りし
裏ごしをします
お水で完全に戻した丸いままの椎茸
軽く水切りをして裏ごししたお豆腐を椎茸の中に入れます
きれいな楕円形の形に整えたら こんがりフライパンで焼き上げます
軽くお塩をふって
出来上がり
たったそれだけなのですが お豆腐に椎茸の風味が染み込み
自然のそのままの甘みが口に広がり
本当に 忘れていた
何か大切なものを思い出したような
そんな味がします
それと同時に
若くして亡くなってしまわれた奥様の
笑顔や声を すぐ隣に感じるようでもありました
お寺でのアルバイト 体験は 私の人生の中で今でも強く息づいています
和尚様は 毎週通う私に よくお話をして下さりました
お話中は仕事の手を止めます
丸一日 お話だけの日もありました
それでも きちんとアルバイト料は下さりました
九美子さん …
いまだに お墓参りで京都のそのお寺に立ち寄ると
奥様の優しい笑顔と声が聞こえます
逢いたいと叶わない想いに 胸が痛くなる時があります
奥様に教えて頂いた あの味を
今日は久しぶりに
作ってみたい気持ちになりました
…