雫井脩介氏のミステリー。
さすが。
という感じです。
幼児連続殺人事件が起こる。
「バットマン」と名乗る人物からメッセージが届く。
巻島刑事はあることを思いつく。
それはテレビに出演して、「バットマン」に呼びかける、というものだった。
テレビのニュース番組は視聴率競争。
巻島が出演したニュース番組のライバル番組では、他の刑事がある行動を取る。
そして、ついに「バットマン」からの手紙が。
マスコミの影響力の強さ、恐ろしさ、も伝えています。
殺人事件という重大事件ながら、それを見ている視聴者は、番組に出ている
巻島個人に興味を引かれたり、テレビ局内では視聴率競争だったり、と事件以外
が生々しいです。
「劇場型犯罪」という言葉はありますが、巻島が作り出したのは「劇場型捜査」
テレビの影響力の強さを使っての捜査です。
テレビの影響力は今はユーチューブなどがあり下がってきているように思いま
すが、この本が書かれた当時(2004年頃)は大きかったです。
みのもんたさんがテレビで「納豆が健康にいいい」と言えばスーパーで納豆が
売り切れる、という具合です。
話は少しそれますが、テレビの影響と言えば、「戦争は女の顔をしていない」の
著者スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチさんがロシアのウクライナ侵攻が始
まったとき、新聞のインタビューに応じていて、テレビによるプロパガンダの大
きさを語っていました。
特にお年寄りなどはテレビを見る機会が多いです。
その影響は計り知れません。
ほとんど洗脳のような感じです。
私も気をつけないと。
私の場合テレビというよりユーチューブですがw。