【前編】会いたい哀たい愛たい【ハウソフィ】 | 季節外れな向日葵

季節外れな向日葵

初めまして、日向(ひなた)と申します
ここでは、日々のなんでもない自分の生活を書いています
あとは、二次創作の小説をぼちぼち載せたり
曲の歌詞なんかも載せています

いつもと同じ1日が過ぎて行く。変わらない日常。でも、確かに幸せを感じる毎日にソフィーは満足していた。朝、みんなを起こしご飯を作り、掃除や洗濯を済ませて、店をあける。花を摘んで花束やリーフにして売るのにもだいぶ慣れてきた。お客さんも増え、町では少し有名にもなってきているようだ。充実している。しかし、王宮付き魔法使いになったハウルは、国土復興や国同士の友好関係を築くため毎日遅くまで仕事をしている。戦争を嫌い、ルーズな毎日を送っていた彼だが、戦争の終わった今となればサリマンに歯向かう理由もなく、彼にしては大人しく働いている。それでも、やっぱり彼は彼で、王宮では(サリマンの怒りを買わない程度に)好き勝手やっているらしいが。らしい、というのは直接自分から聞いた訳ではなく、カルシファーから聞いた話だからだ。ここ数日、ソフィーはハウルと顔を合わせていない。ソフィーが寝る頃ハウルはこっそり帰ってきて、朝日が登る前に城を出ていってしまう。寂しくないと言ったら嘘になる。でも、彼が頑張っているのだと思えば自分も頑張れるのだ。
「それに、仕事の邪魔をしちゃ悪いものね…」
ぽつり、と呟いた言葉に暖炉で薪を抱えていたカルシファーが「ん?」とくりくりした目をこちらに向けた。
「どうしたんだ?ハウルのことか?」
「まぁ…そうね。何日くらい会ってないのか考えてたのよ」
多分、一週間以上は経つ気がする。そう素直に言うと、カルシファーは困ったように目尻を下げた。
「ハウルも忙しいみたいだからな。今が正念場だろうな」
カルシファーはハウルと夜中によく話をするようで、こうやってハウルの事を教えてくれるから有難い。
「会いたい、なんて言ったらお仕事の邪魔になっちゃうわよね…。ハウルも頑張ってるんだし」
ソフィーの切なげな表情にカルシファーもつられて悲しくなる。
「そんなことないと思うぞ。ハウルだってソフィーに会いたいはずだし」
「ありがとうカルシファー。でもやっぱり待つわ。彼の邪魔をしたくないもの」
そう儚げに微笑み、ソフィーは暖炉の前に置かれた椅子から立ち上がった。暖炉の上に新しい薪を置いて「それじゃあハウルによろしくね。お休み」と階段をゆっくり上っていった。カルシファーは「うんお休み」とだけ返し、ハウルが帰ってくるまで薪の下に潜る事にして、静かに目を閉じた。