違和感を感じたら
調和を乱すように見える人が、突然現れたとき
ある日、穏やかに流れていた場に、急に空気を変えるような人が現れることがあります。
これまでの調和を壊すような言葉や行動。
周囲が戸惑うような強いエネルギー。
その場の空気を一瞬で変えてしまうような存在。
そんな人が現れたとき、私たちはとっさに「この人は場を乱している」と感じるかもしれません。
けれどその感覚の奥には、もっと深いメッセージが隠されていることがあります。
心理学的に見ると、私たちは「無意識に抑えてきた感情」や「直視できなかった自分自身の側面」を、他者に投影することがあります。
スピリチュアルな視点では、そのような人物は、魂の契約のもとに「気づきを促す鏡役」として現れている可能性があります。
タロットで言えば、「15 悪魔」は私たちが目を背けていた依存、抑圧、葛藤を映し出す存在です。
「16 神の家」は、見せかけの安定を壊し、真の基盤を築くための崩壊のエネルギー。
「20 審判」は、封印していた記憶や感情を甦らせる象徴でもあります。
つまり、調和を乱すように見える人は、実はその場に必要な「変容」をもたらす触媒なのかもしれません。
たとえば、
その人の存在によって、誰かが我慢していたことを言えるようになる。
いつも遠慮していた人が、自分の意見を伝え始める。
見ないふりをしてきた矛盾や不満が、ついに言葉になる。
その場が揺れるのは、バランスが壊れたからではなく、 もともとあった「ゆがみ」が浮かび上がってきたということ。
違和感とは、「真実に近づく手前」で感じるエネルギーです。
それはあなたの中にある未消化の感情、過去の記憶、抑えてきた表現への入り口です。
だからこそ、調和を乱すように見える人に出会ったときこそ、
「自分の内側にどんな反応が起きたのか」を、静かに見つめてみてください。
怒り、拒否感、戸惑い。
そのどれもが、あなたの魂が変化に触れている証です。
もちろん、無理に関わる必要はありません。
安全な距離を取り、自分を守ることはとても大切です。
でも、その人を「乱す存在」として排除する前に、 「その場に現れた意味」を一度、自分の中で受け止めてみる。
それができたとき、
あなたは他人に反応するのではなく、
自分自身の内側と対話できるようになります。
タロットはこう語ります。
「崩れることでしか、気づけないことがある」
「調和とは、見ないふりの上にあるものではなく、誠実さと気づきによって生まれるもの」
違和感を感じたその瞬間。
あなたの魂は、次の章へとページをめくろうとしているのかもしれません。
