〜魂に触れるリーディングとは〜




タロットは、目に見えない領域からのメッセージを映し出す道具です。

しかしそのメッセージは、カードを読む私たちの言葉を通して初めて、クライアントの心に届きます。

カードが示す象徴をどう受け止め、どのような言葉で伝えるかによって、クライアントが受け取る気づきの質も変わります。

どのように伝えるかを丁寧に選ぶことが大切だと私は思っています。

タロットリーディングでまず意識したいのは、クライアントを裁かないこと、そして不安を煽らないことです。

たとえ試練を示すカードが出ても、それを悪いことと決めつけたり、未来を悲観的に伝える必要はありません。

タロットは今ここに流れているエネルギーを映しているだけであり、善悪を判断するものではありません。

カードが示すのは、今、気づきが必要なテーマです。

クライアントが自分自身と向き合い、未来を選び直せるように言葉を選びます。

カードを読むときには、単に意味を説明するのではなく、カードが持つエネルギーや背景にある意図を感じ取って伝えます。

たとえば、13番(死神)のカードが出たとき、
「悪いことが起こる」という意味ではありません。
「古いものを手放し、新しい段階に進むための変容のとき」ということを伝えます。

恐れるのではなく、変化を受け入れるためのサポートとしてカードを読むことが大切です。

また、リーディングをするときは、クライアント自身に力があることを信じて言葉を選びます。

「あなたは乗り越える力を持っています」
「答えはすでにあなたの中にあります」
その信頼をもって伝えると、クライアントの内側にある力が目覚め、前に進む力が湧いてきます。

タロットは未来を決めるものではありません。

タロットは、今この瞬間にどのようなエネルギーが流れているかを示すものだとわたしは考えています。

未来は今ここでの気づきと選択によって変わります。

だから私は、リーディングの最後に必ずこう伝えます。

「未来は、あなたがこれからどのように選ぶかによって動きます」

タロットは、固定された未来を見せるために使うのではありません。

タロットは、魂がどこから来て、今どこにいて、これからどこへ向かうのかという道筋を示す、魂の地図なのです。

タロットは地図を差し出すけれど、歩く道を決めるのはクライアント自身です。

そのときに一番大切なことは、
答えは外側にはないということです。

誰かに決めてもらうのではなく、
カードにすべてを委ねるのでもなく、
クライアント自身の内側に、すでに必要な答えが存在しています。

リーディングは、その答えを思い出すためのサポートにすぎません。

魂が目覚めるリーディングとは、
クライアント自身が自分の内なる声に気づき、自分で未来を選び直す力を取り戻していくプロセスを支えることです。

タロットを通して、クライアントが本来の自分自身を思い出し、新しい一歩を踏み出せるような言葉を選びたいと思っています。

それが、私の目指しているリーディングのあり方なのです。