魂が光へ還るとき 
〜マルセイユタロット13番が教えてくれること〜

人がこの世界を離れるとき、
それはただ「終わり」が訪れるのではありません。

静かに、深く、
魂が新たな旅路へと還っていく、神聖な時間が始まります。

死期が近づくと、
人の意識は自然と外の世界から、自分自身の内側へと向かい始めます。

誰かに認められるためでも、
何かを達成するためでもなく、

ただ、
「ありのままの存在」へと帰っていくのです。

体は少しずつ、食べることや動くことを手放していきます。

それは決して悲しいことではありません。

魂が肉体から離れる準備を始め、
本来の自由な存在へと還ろうとしている、自然な流れなのです。

呼吸もゆっくりと、浅くなり、
まるでこの世と、もうひとつの世界を行き来しているかのような、
静かな変化が訪れます。

この時期になると、
亡くなった家族の存在を感じたり、
美しい光を見たりする人もいます。

スピリチュアルな世界では、
それは「愛する存在たちが迎えに来るサイン」だと言われています。

魂は、すでに愛に包まれ、
新たな旅の準備を始めているのです。

マルセイユタロットの13番のカード。



一見「死」を象徴しているように見えるこのカードは、
本当は私たちに、とても深いメッセージを届けています。

それは、
「魂は永遠に生き続ける存在である」ということ。

肉体を脱ぎ捨てた後も、
魂は新しい世界で、自由に、光の中で生き続けます。

死は、終わりではありません。
それは、新しい生命の循環への、静かな門出なのです。

この時間に、私たちができることはとてもシンプルです。

声をかけられなくても、
返事がなくても、
ただ、手を握り、心から愛を伝えること。

「ありがとう」
「愛している」

たとえ言葉にしなくても、
魂はすべてを感じ取っています。

そして、安心して光の中へと旅立っていきます。

死は、決して恐れるものではありません。

それは、生命の大いなる流れの中で、
魂が再び自由になる、愛に包まれた瞬間。

マルセイユタロットの13番が教えてくれるように、
私たちの魂は、永遠に続く旅の途中にあるのです。

大切な誰かを見送るときも、
自分自身の旅立ちを迎えるときも、

心に愛をたたえながら、
その神聖なプロセスを信じていたいと思います。

今日も、光とともに。