2017年10月のツアーは終了。森先生とツアーメンバーの皆様は帰られました。森先生は帰国後にすぐ健康が回復したそうです。
居残り組は私と車椅子の女性Jさん。そしてもう一人、ツアーメンバーの中でもう少し延長して居残りをしたいという方(Kさん)がいらっしゃいました。Kさんは介護の専門家でもありましたので、Jさんのお世話をお手伝いして頂きながら、一緒に残りの3週間を過ごすことになりました。
3人で、と申しましたが、正確には4人…だったかもしれません。
私たち2人で行動すると、それは例えば食事の時だったり、クリスタルショップだったりするのですが、必ず一匹の「蛾」が近くにとまるのです。森先生の時のように直接纏わりついてくるようなことはなかったのですが、気持ち悪いですし、まるで何かに監視されているようで嫌な気分でした。
ツアー中は不気味な話をしたくありませんでしたので、冴子さんのサイキックアタックにつけ狙われているということは内緒にしておりました。でも、ツアー終了後に居残りの2人(Jさん&Kさん)には冴子さんの話をし、「何か妨害があるかもしれないから気を付けてね」と注意を促しました。そして近くにとまっている蛾を指さして、「ああやっていつも我々3人で食事しているときに蛾が飛んでくるでしょ??あれは冴子さんの化身だからね。」と説明しました。
二人とも怖がる素振りもなく、「どうりで今回蛾をたくさん見かけると思ったのよ!」と、納得した様子でした。
ある日のことです。
その日は二人ともセッションに参加する予定で、一人はセカンドタイムライン、もう一人はリビジョンラインに並ぶ予定でした。ところが、セッション直前になって二人とも予定をキャンセルするというのです。
そして、車椅子のJ氏は、
「今日は私の世話はいいから、今和泉さんに一人でカレントルームで瞑想して欲しいの。」
というのです。
J氏がセカンドタイムラインに並ぶのは確かにその時でなくてもいいのですが、せっかくのセッションがもったいないと思いました。そして、K氏のリビジョンはその日の内に受けなければなりません。…とはいえ、午後もあるので、ふたりともそこまで言ってくれるなら…と思って、私は一人でカレントルームに入ったのです。
後から思えば、あんなに瞑想に集中できなかったことはありませんでした。せっかく二人で私の為にセッションを一つフイにしてくれたのに。私が一人で瞑想に集中できるように気遣ってくれたのに。私は二人の気持ちを無駄にしてしまったかのように思って申し訳なく思いました。
ずっと目を閉じていなければなりませんが、「まだかなー、まだかなー」とイライラして、目を開けたり閉じたり、ごそごそしたり。
そして、ずーっと考え事をしていました。
なんだかもう私はカーサに来る必要がないような気がしました。だって、日本でカーサクリスタルのネットショップも始めたのに、こんなにしょっちゅうカーサに来ていては、商品の更新も出来ません。
ツアーを率いるのは森先生一人だけでよくない??
そう思いました。そして、
車椅子のJ氏には悪いけど、もうたった一人の介護のためにカーサに長期間残るようなことはやめさせてもらおう。というか、むしろもう私はツアーに参加すべきではない、日本で留守番してればいいんだ。
と思ったのです。
セッション終了後に溜息をつきながらポウザウダに戻ってきた私に向かってJ氏は
「どうだった?」
と聞いてきます。私はカレントルームで「考えていたこと」をJ氏に正直に話しました。
カレントルームでの瞑想中に「気付いたこと」はもうエンチダージからのメッセージも同じです。私はこれもエンチダージからのメッセージに違いないと思いました。
「申し訳ない。私が介護のためにカーサツアーに参加するのはもうこれで最後にさせてもらうよ。森先生と私、いつも二人一緒にカーサに来る必要もないと思ってね。クリスタルショップのこともあるし、私一人は日本に残っているのが筋だと思う。僕は多分今回の滞在でカーサに来ることを最後にさせてもらうつもり。ツアーは今後森先生一人で充分だよ。」
それを聞いて車椅子のJ氏と介護の専門家K氏は顔を見合わせて、
「やっぱり!!!!!!」
どういうことかと驚く私に、J氏がその日の早朝にあった出来事を話してくれたのです。
セッション前の明け方、まだ3時とか4時ごろ、彼女は怪奇現象に悩まされたというのです。
ポウザウダの部屋の前の廊下をひっきりなしに誰かが歩き、人感ライトがついたり消えたり。次第に、部屋の中で人の気配がするようになったのだそうです。バスルームにある洗面台の上の鏡のついた物入れの扉が開いたり閉まったり。彼女は身体が不自由なので逃げることもできないし、早朝なので声を上げることもできないし、ただただ恐怖に震えていたのだそうです。それは2~3時間もの間続き、眠れなかったのだそうです。
そして、次第にその気配ははっきりとした「人影」となったそうです。
その人影はJさんに向かってこう言いました。
(謎の人影)「Jさんは酷いわよ!!あなたの介護のためにこんなにも長い間今和泉さんを拘束して!もう今和泉さんを一人にしてあげて!!」
まるで自分がエンチダージの一人であるかのような尊大なものの言い方だったようです。ポウザウダは診療所の役割をしますので、エンチダージの姿を見かける人も大勢います。その亡霊はそのことを知ってか、「エンチダージが現れた」とK氏に錯覚させようとしている様子だったそうです。
あまりにJさんを責めるような口調でしつこく捲し立てるので、Jさんも勇気を出してこう聞いてみたそうです。
「じゃあ、どうしたらあなたは納得するのですか?私にどうして欲しいのですか?」
すると、
(謎の人影)「今和泉さんが一人でカレントルームで瞑想するように言ってあげて。今日は一人にしてあげて欲しいの。」
と言ったのだとか。
それでJさんは私が早朝一人で滝に行っている間にKさんと申し合わせて、私に午前のセッションでひとりカレントルームで瞑想するように勧めたのだそうです。
でもJさんはちゃんと、その亡霊は「エンチダージなどではない」と気付いていたそうです。そして、「もしかしたら冴子さんなのではないか」と思ったそうです。
だって、
エンチダージであればあんな不気味な登場の仕方をするはずがありません。亡くなった方の霊や邪悪な存在などはアバジャーニアの結界を越えて入ってはこれないので、この不気味な存在は人の生霊ではないかと思ったのだそうです。(カーサの娘・リサ子さんの前例も彼女は知っています。)カーサの娘・リサ子さん以外に今和泉に「カーサにはもう来てほしくない」、などと思っている人物といったら、もう冴子さんしかいない、と思ったのだそうです。
つまり、冴子さんの生霊は、J氏を使って私をカレントルームにおびき寄せ、エンチダージのフリをして瞑想中ずーっと私の耳元でこう叫んでいたということなのです。
「お前はもうカーサに来るな!ツアーの間、日本で留守番をしてろ!お前は私たちエンチダージから嫌われてるんだぞ!お前ごときが来ていい場所ではない!」
と。
私は前言を撤回!!
カレントルームで「考えたこと」は「気付いたこと」ではありません。エンチダージからのメッセージなどであるはずもありません。
私はこの時の経験から、直感によってメッセージを受け取ることとマインドで考えることの違いがはっきりと体感として分かるようになったのです。
(続く)