と、重い口調で切り出した先生の言葉は。
「これまで様子を見ていましたが、呼吸が変わらずずっと安定しない事と、ミルクの飲み込みが出来ないので、何か大きな要因があると思うのですが、ここではそれを細かく検査出来る設備がありません。
そこで、もっと細かく検査の出来るNICUのある病院に
今から転院をしていただこうと考えています」
あぁそっか…
回復は出来なかったのか…。
この時にはもう、先生の言葉を冷静に聞いている自分がいました。
旦那さんが一緒に聞いてくれている…というのが大きかったのかもしれませんが、それ以上に。
これだけの事が起きてもこの期に及んでまだ、今目の前で起きている事が現実なんだと受け止めきれていなかったんだと思います。
その後、転院先の先生達が、赤ちゃん用の救急車でこちらに向かってくれている事
私の代わりに、これから旦那さんが日葵が転院する病院に車で向かい、検査の結果や入院期間等を聞いてもらう事
等の説明を受けました。
向こうの先生が到着するまで、部屋で待機となった私と旦那さんは
「急展開だね…。全然頭が追いつかない…」
と、お互いに言い合う事しか出来ませんでした。
病室で、旦那さんとLINEで話しながら待機していると、しばらくして転院先の先生達が到着しました。
転院に関する同意書を記入し、私自身の採血等をした後、再び旦那さんとの通話をスピーカーで繋ぎ、先生からの説明がありました。
「今から、赤ちゃん専用の救急車で転院先まで赤ちゃんを搬送します。
パパには、赤ちゃんの検査をした後の説明などもありますので、21時~22時くらいを目安に来ていただきたいのですが、大丈夫ですか?」
この時点で、時刻は19時半くらい。
転院先の病院は、自宅から車で30分前後の場所にあり、時間は十分にありました。
「わかりました。大丈夫です」
再び日葵のいるお部屋に移動して、TV電話を繋ぎながら、私はここで日葵と一旦お別れです…。
相変わらず眠っていましたが、表情はさっきよりもだいぶ穏やかになっていました。
「頑張ってね…。すぐ、会いに行くからね」
…すぐって…
いつだ…?
また勝手に涙がボロボロ溢れてきて、止まりませんでした。
エレベーターまで日葵を見送り、私は病室に戻ります。
ここからは、旦那さんとバトンタッチ。
思いがけず、旦那さんも退院前に日葵に会える事になりましたが、心境はお互い複雑でした。
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