『姿勢から美と健康を引き出すマニュアル』2011.3.1版
―――「コア強化ストレッチでしなやか美人!」編
第2章・柔らかくて強い ~しなやかな身体とは~
①「柔らか」と「しなやか」
体が柔らかいとは、どういうことでしょうか。
タコのように骨格のはっきりしないぐにゃぐにゃの状態でしょうか。
人間の赤ちゃんは、体を支える筋肉が身発達なので、体は驚くほど柔らかいものの、立つこと・姿勢を安定させることはできません。
私達が目指す体の柔らかさとは、。そうではありませんね。
チーターが走る時の背骨や関節はしなって柔らかいけれど、大地をとらえて体重を移動させる強さを持っています。
バレリーナも体を動かしたり静止したりする時に姿勢を保ちながらしなるような美しい柔軟性を見せてくれます。
これを「しなやか」と表現し、単に体が「柔らかい」ことと区別をしておきます。
②「強さ」と「固さ」、しなやかさ
「姿勢を正しく」と言うと、「体を固める」というイメージが先行し、ストレッチと結び付かないと思われるかもしれません。
実は体を固くしていてもリラックスしていても、姿勢は正しくしていることができます。
例えば、車や自転車の事故防止のために道路に立てられているポールを見たことがありますか。
以前はコンクリートのような硬い素材でできていることが多く、人がぶつかってケガをしたり、車がぶつかって大破したりしていました。
一見強そうなまっすぐのポールでも、一定以上の衝撃が加わるともろくも崩れてしまうのです。
「体を固くして」姿勢を良くしている状態はこれに当てはまり、固さ→もろさになってしまうのです。
一方最近のポールは押すとしなり、跳ね返ってくるゴムのような素材でできていることが多くなりましたね。
これも一見するとまっすぐ立っていますが、かなりの衝撃が加わっても壊れず元通りになります。
例えて言うならこれがリラックスして姿勢を正しくしている状態と言うと、イメージしやすいでしょうか。
「本当の強さとは、固さではなくしなやかさの中にある」というのは、人間の骨格を見ても分かります。
背骨に自然なカーブがあるのは、体重の重さを安全に受け止めるクッションの役割のためでもありますから、カーブが不自然に固くなると衝撃が1か所に集中し、腰痛などになります。