賞味期限つき、料亭の恋。

不倫。


この恋の意味が二年かけて、少しづつ分かりかけてきた。


けどまだわからないこともたくさん。


あと一年。この恋が終わったら、私に何が残るのかな。

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彼との一週間。③

3日目。


1


その日は彼と2人で飲みに行った。飲んでばっかり。


その後はどうしたんだっけ?


2年前の9月11日


日にちは覚えてるのに。



こうやって忘れていくのかな。


忘れたくないのに。

彼との一週間。②

2日目。


:


店が終わってから、彼と私の友達としんちゃん(店の料理人、19歳)と飲みに行ったわ。


飲みに行ってから、ホテルに行った。


彼との愛の営みは、とてもとても気持ちのいいもので、私はどんどん彼なしではいれなくなっていた。



彼との一週間。①

@


あの一週間は、夢のような一週間だったわ。


もしかして夢だったのかもしれない。


あの時の一週間で、私たちの距離はとてもとても縮まった。




夏の終わり。秋の始まり頃だった。


彼の奥さんが子供と一緒に旅行することになったの。



初日。


私も、彼も、浮かれていたわ。店を休んだし。


初めて、昼から晩まで一緒にいることができた日だった。


彼は釣りが好きだから、ダムに行ったの。普通のダムなのに、彼といるとすべてが美しく感じた。


緑の木々。


水面の光。


夕日の眩さ。


2年も前なのに今でも、はっきりと覚えてる。



それから焼肉を食べに行った。肉を焼くのにとても緊張していたわ。そしたら彼が焼いてくれた。


そして。


その日初めて、彼の家に行った。


彼の家は、忘れたいのに忘れられない。


独特な子供のにおい。


床に転がる子供のおもちゃ。


きちんと片付けられたキッチン。


壁にかかってる写真。


いっぺんに現実が襲ってきて、私は泣いた。


彼は結婚していて、家庭がある。


彼が私の頭をなで、「ごめん。家を出ようか?」と言った。


けど私は首を振り、あの家で寝た。


私の小さな復讐。


ほんとに小さな小さな、復讐。

彼がいない店。

今日は店に彼がいなかった。


3


彼がいない店は、私にとって何の意味もないもの変わる。


店の片隅に、彼の気配を感じて、振り返るの。


そのたびにいないことを実感して、今、彼が何をしているかを考える。胸が痛い。


今、彼は笑ってる?


私は泣きそうなのに?



彼のいない店。


何度も経験してるのに、未だに慣れることはないわ。

彼との日課。

私たちは店が終わったあとは必ず会う。


公園のベンチで、その日の店の話をしたり、キスをしたり。その時、私は絶対、彼のひざの上に座る。


昼間だったら人の目が気になるけど、夜の闇は私たちをちゃんと隠してくれる。


ひざの上の方が彼に近いから。


少しの時間で、彼に近づけるだけ近づきたいから。



;;

恋の欠点。

2人の恋が始まってから、私は恋におぼれていった。




店が終わったあとに、少しでも飲みに行ける事になったら、嬉しくてしょうがなかったり。


休憩時間にホテルに行って、いちゃいちゃしたり。


公園に散歩に行って、陽だまりの中、昼寝をしたり。


彼が家に帰るというのを、泣いて止めたり。


抱きしめたり、抱きしめられたり。




私はあまりいい恋愛をしていた方じゃないから、彼に奥さんがいても、これはいい恋愛だと思ったわ。


けどこの頃、彼には今とは明らかに違うところがあった。



私のことを完璧に好きではなかったの。

今。

この日記を書き始めて、私の思いはますます深まっている。


日毎、彼を想う時間が増えている。


私がアルバイトがなくて、店に入っていない時、彼は何を見て何を話しているのか。とても気になる。


この恋に、束縛は絶対ナシなのに。



最近、また私は、最初から恋をしているような気がする。

心の変化。

最初飲みに行ったとき、ホテルに行ったの。


^^

そこから親密にはなったけど、付き合ってるとまではいかなかった。


私には彼氏もいたし、浮気相手もいた。恋の相手はもう十分足りていたの。



その時の私は、結婚してる人は完全に対象外だった。




けど私はどんどん彼を好きになっていった。


飲みに行くことが多くなり、彼の違う一面を見るたびに、私は彼に惹かれていった。


私は、体の関係だけでは物足りず、心の関係を求めだしていた。



夏はもう目の前だった。


vv



そして、私は彼氏と別れた。

不安。

今日、うちの料亭に新しい人が面接に来る。


その人は、私の親友、ゆうこ。小学校から今に至るまで、ずっと仲良し。


人手が足りないのと、ゆうこがバイトを探しているというので、うちの店を紹介したの。


bb


自分で紹介してて、おかしいと思うけど、不安。


嫌な女だと思う。自分のこと。


彼を盗られると思ってる。


ゆうこは私と彼のこと、知ってるから絶対そんなことないのに。


ゆうこはそんなことする子じゃないって、誰より知ってるのに。




今日はできるだけ笑顔でいようっと。



二人の始まり。

まだ彼と恋人同士じゃない頃、私は彼と話がしたくて仕方がなかった。


彼が結婚をしていると知ってから、恋の対象ではないけれど、興味の対象ではあった。


私はその頃、彼氏も他にいたし、浮気相手もいたから、恋の相手には不自由してなかった。


ただ彼に興味があった。


彼がどんな話し方をし、


どんなことを考え、


どんな愛し方をするのか。





二人の始まりは、あまりにも突然だった。


私の家は料亭の近くにあり、彼の実家も料亭の近くだった。ふだん、彼は家族が暮らす遠い家に帰るんだ


けど、その日は違った。



「ヒナさん」


「あ、お疲れ様です」


「たぶん、今日俺ヒナさんと帰り道、一緒」


「そ~なんですか?」


「一緒に帰ろ」



突然のことで、実は私、この時のことをあまり覚えていないの。


舞い上がってしまって、たぶん、変なことをたくさん言ってたに違いないわ。



kkk



まだ話していたくて、ゆっくり、ゆっくり歩いた。


彼もまた、ゆっくり歩いていた。


気がついたら信号のところで立ち止まって話し続けていた。今考えると、あの場所は彼の家からだいぶ過ぎ


ていた。


4月で夜はまだ少し肌寒くて、私が寒そうにしてたら、


「ちょっと飲みに行こうか」


彼が言った。


それが二人の始まり。


はめられたような。はめたような。