4月も終わりですね。新学期に入ると時間の流れが本当に早く感じます。

今日の朝、大学に行く支度をしているとチャイムの音が。日本からの救援物資がついに届きました。

税関預かりにならなくてよかった…
ハノーファーの税関は信じられないくらい辺鄙な所にあり、荷物も全部職員さんに見られるしで(場合によってはボッシュートやお金を取られたり…!)かなり面倒くさい事になるので。

キャーキャー言いながら開封して、家族にお礼の連絡。
早速、中に入っていた桜カステラと栗のパイを緑茶と一緒に頂きました。心に染み入る…何だかんだ日本人だなとこういう時思いますね。

さて、この1ヶ月弱なにも書いていなかった割に実は色々な事があったので、まとめという事で適当に挙げていきます。
4月1日のイースターが終わって目立つのは、売れ残った哀れなイースターバニー達でした。

売れ残るだけあって、どれも顔面のインパクトが中々ありました。特に上のは可愛いとか可愛くないの次元をもう超えています。

うさぎかどうかも判別し難いなんて(ドイツとはいえ)かなりの高ポイント。
オーガニックブランドALNATURAのイースターバニーでさえこんな感じ。

因みに、これを見つけた時は少し疲れていたので(何が可笑しくてこんなに笑ってるんだコイツ)とか、身も蓋もない感想しか出て来ませんでした。

オーガニックはオシャンティーピープルの為だけに生まれたような概念だろうと(勝手に)思っていたので、少し意外でした。

あんまり売れ残り商品についてとやかく言える筋合いでは無い気がしますが、ドイツでそういったものの傾向が見られて興味深かったです。
4月の頭まで、音楽生理学の博士である古屋普一さんがハノーファーにいらしていたので、研究所にお邪魔して色々お話させて頂きました。貴重なお時間をありがとうございました。勉強になったしとっても楽しかったです。

その時に、ピアノ椅子の高さや距離についてもアドバイスを頂いたのですが、その結果椅子を買い換える事になりました。

楽器屋さんで購入した後、地下鉄とバスを使って椅子を運んだのですが、待ち時間はその椅子に座れるし、珍しがって話しかけてくる人と仲良くなれたりで中々愉快でした。

そして次の日、二の腕が筋肉痛になりました。信じられない。いくらなんでも。
大学生活も折り返しを迎え、大分単位も消化できてきました。

新学期の選択授業は、引き続き古楽器(1年受講すれば単位は取れるのですが、面白いので居座っています)と、パーカッションです。

いい年して落ち着きがなく、(音出しの合図もないのに)楽器を絶えずいじくっていた生徒達。冷静に考えてちょっと引きました。幼稚園児だってもうちょっと静かに待てそうです。

私もそれに気づくまで、目の前の小太鼓を無意識にずっと指でトントンして遊んでいたので、言える筋合いではないですね。
そして、この間はギャルドン門下のコンサートがありました。フランスの現代作曲家、エスケシュの"Jeux de doubles"と、ドビュッシーの喜びの島を演奏させて頂きました。

先生がハノーファーに赴任した年に私も門下に入ったのですが、当時の先輩達の殆どが卒業した代わりに、新しい院生やディプロマ生、そして後輩が入ってきました。

今回プログラムを見てよくよく考えたら、知らない生徒のほうが多くてびっくりしました。

「あ、写真!…撮ります?去年も撮ったし」
先生「なんでそう弱腰なの…もっとグイグイ行かないと誰も聞かないでしょ!」
「ですよね。はい写真撮りますみんな!!並んでください!!」
「そうそう」

みたいにして撮れたのが上の写真です。

普段他楽器の人とばかり過ごしているからか、久しぶりにピアノ科と一緒だと、最初の内ドギマギしてしまいましたね。本当何なんでしょう。

我の強い生徒が比較的いない門下なのが幸いして、終演後は皆と色々話せて楽しかったです。
ちなみに今月一番焦ったのは、ハノーファーに来て初めての「玄関締め出し」をやらかした事です。

ドイツの家の扉はドアノブが回らないタイプなので、開け閉めに必ず鍵を使います。簡易オートロックみたいなものでしょうか。(それでもちゃんと施錠しないと、泥棒なら簡単に入れるらしいので注意)

玄関に入って鍵と荷物を置いた後、外が汚れていた気がしてもう一度出た時に、うっかりそのまま閉めてしまったのです。アホすぎる。

幸い携帯をポケットに入れていたので、すぐに合鍵を預けている人に電話して、来てもらいました。これで携帯がなかったらオシマイでした。
これ、こんな風に扉の内側から鍵を差した状態で締め出されてしまったら、外から合鍵を差せないので業者に来てもらうしかないらしく。最悪ドア破壊なんてこともあるとか。

あの時は無意識で外に出てしまったのと、ちょっとしたパニックで鍵をどうしたかも思い出せず、外から鍵を差せた時は本っっ当にほっとしました。

自分が常軌を逸したうっかり者という自覚はあるので、今までそれはもう気をつけていたんですよ…2年半以上やらかさなかったのが奇跡と言っていいくらいです。誰か褒めて欲しい。

…気を引き締めて再発防止に務めます。はい。
昨日はマーラーの交響曲第9番をロンドン交響楽団&サイモン・ラトルの指揮で聴きに行ってきました。

…素晴らしかったです。恐ろしいほど完璧に調和したアンサンブル、特に終楽章の弱音部分は鳥肌が立ちました。マーラー最高。

一昨年、同じ交響曲をシュターツカペレ・ドレスデン&メストで聴いた事があるのですが、あたたかく立ちのぼるような格式高い重厚感に胸が熱くなったのを覚えています。本当に名演でした。

今回のロンドン交響楽団は、重厚というよりは薄絹を幾重にも重ねたようなテクスチュアで、優美さや華やかさの印象の方が強い気がしました。その分、三楽章なんかの盛り上がり部分はとてもコントラストが際立つような。

質の高いアンサンブル故に生まれる厚み、品格はどちらも持っているのに、質感というか与える印象はこうも違うのかと。
改めて考えさせられる演奏会でした。