函館に着いた。

ホテルの隣がラーメン屋さんで

函館塩ラーメンが美味しいと

評判らしく

晩御飯食べてなかったし

チェックインすませて

即、入店した。

少し待ったけど。。。


食べようと決めたのは

ラーメンにお麩が入っていたから



昔、函館塩ラーメンには

お麩が必ず入っていた。

最後に味が沁みてほんとに美味しい。

確かにやさしい味がして

美味しかった。


でも

なにかが違う。

満足しない。

三分の一残してしまった

ごめんなさいと思いながら。


大好きだったラーメンは

母と買い物に行った帰り

市場の食堂の塩ラーメンだ。

寒い年末

母と手を繋ぎお出かけして

何を食べる?と聞かれて

わたしが

ラーメン!と答えるとわかっていても

母はやっぱり?という感じで笑いながら

注文してくれる。

子供はラーメンが大好きなのさ。笑


今日食べたラーメン

美味しい

久しぶり


でも、違う


母と買い物時に食べたラーメン。

スケートをしに行った帰り

寒さと程よく疲れて食べたラーメン。


あの美味しさには

どうしても及ばない。


そうね、わたしは函館に来て

思い出を食べたかったんだね。

食べたかったのは

ラーメンじゃなかったんだ。


子供時分の思い出が加味される

函館の街

噛み締めながら街並みを歩く。

特別な街は変わらずにある

でも

昔には戻れない

父もいない

母も遠くにいる。


懐かしい街に帰ると

魔法にかかるみたい。

幸せは思い出が加味される

良い思い出が美味しさを倍加させるなら

悲しい思い出はしょっぱい涙の味なのかも


わたしが食べた

あの美味しかったラーメンは

もう、食べられないのだなと思う。

ちょっと悲しいけど

思い出の中でしか食べられないんだなぁ


暖かい思い出を抱きしめて

今日は休もう









マリア