ネイチャーストーブはおもしろい。ファイヤーボックス、ブッシュボックスなど、他にもたくさんの名品がある。そんな中でもソロストーブはたいへんファンも多く、代表格と言っても過言ではないだろう。

しかし、ブッシュバディストーブは格別だ。しかもミニ。

ずっと憧れ続けていたのだが、日本のショップでは売切れなどでなかなか簡単に買うことができずにいたのだ。もっと探せば買えたのかもしれないが、だんだん面倒くさくなってきた。

日本で手に入りにくいならば直接アラスカに注文しよう! と思いたち、さっそく職場にいる英語の堪能な女性に手伝ってもらって注文完了。初めての海外直接注文でドキドキだ。注文確認のメールも届き、それから待つこと約11ヶ月。つ、つ、つ、ついに手元に届いたのである。

いやー、待った待った。注文した時は2週間くらいで発送できそうな感じであったが、すぐに1ヶ月待ち、3ヶ月待ちと待ち時間が加算されていき、1年近くが過ぎてしまった。

だがしかし、その甲斐あって、手元に届いた時の感動は何ともいえないものがある。

どうもこのブッシュバディストーブはハンドメイドでの製作で、作れる量が限られてくるようである。

寒いアラスカの地で、黙々とこのストーブを作っているジェフさんの姿を思い浮かべながら、届いた製品をしばらくじっくりと眺めてみる。美しい作りで、素晴らしい! まさにクラフトマンシップの塊。

早く火入れをしてみたい。が、届いたのは木曜日の午後。けっきょく2日後の土曜日にペレットで試してみた。


燃焼室の容量は、ソロストーブライトと変わりなさそうだ。ただ、底面は網があるだけの筒抜けなので、その分全体的な高さがソロストーブよりも少し低い。上に乗せるゴトクはステンレス。下の燃焼室はチタンということで、重量は軽い。

底が目の広い網だけだとペレットが全部下へ落ちてしまうため、このような物を買って敷いてみた。多少空気の取込みに影響があるかもしれないが、しかたない。

本来は落ちている枝とかを燃やすのだろうから、ペレットの使用など想定外なのだろうが、うちの実家の庭には

そんな都合の良い枝は落ちてないため、ペレットを使用した。

まあ、いずれにせよこのストーブを使う場合、場所によっては地面へのダメージに配慮する必要はある。


ペレット使用の場合、二次燃焼になるまでは火が消えないよう多少の注意が必要だが、二次燃焼が起こるとこの通り↓ (二次燃焼のメカニズムについてはよく知られているだろうから割愛)



爆燃焼する。

あまりの燃焼効率の高さから、一気に燃えるためペレットの補充もなかなか忙しい。これはまあソロストーブライトも同じで、当然どちらもよく燃えるのだ。

それにしても二次燃焼時の焔はなんて美しいのだろう。だが、ここでこの炎の美しさに見惚れていると、あっという間にペレットは燃え尽きてしまう。楽しいけれど気は抜けない。

しかし、これはecoの観点から見るとなかなかecoなのではないかと思うのだ。必要な燃料で、さっとお湯を沸かせるわけだから、無駄がない。お湯さえ沸かせればいいという人には良い選択だろう。多少の焚火感も楽しめるし。もちろんチマチマと枝を燃やし続けて小さな焚火を楽しんだっていいのだ。

ちなみにゴトクの爪の本数はブッシュバディミニが4本、ソロストーブライトは3本である。形状も先端が少し違うが、どちらがいいかは使うクッカーや好みで分かれるだろう。

日本での知名度では間違いなくソロストーブが高く、使う人の数も多いだろう。

それでも自分にとってこのブッシュバディは、ソロストーブをしのぐ魅力的なものであり、大変満足なギアのひとつだ。珍しくいつまでも大切に使いたいと思えるストーブなのだ。