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Y 染色体
Y 染色体なんて 高校で生物の授業で習って以来 五十年ぶり お久しぶりでございます
先週来 閑にまかせて 面白き本を読んでおります これが傑作 「できそこないの男たち」
福岡 伸一著 光文社新書なる本
世の中のつまらない男のお話かと思いきや 全然別の世界のお話 これがなかなか 面白いお話
なのでありますが いささか難しい。頭を使って理解しようと思いましたが なかなか。
そのお話しをすこし御紹介します この地球に生命が誕生するのは 今から 36億年 それか
ら 10億年間 生物の生は 単一ですべてメスだった というのですって 10億年間 オスはお呼びではなかった いわばメスが一人で子供を生み 育て そして死んでいく ある意味
きわめて合理的かつ効率的な生物の世界だったのではないか
考えてみれば どうして オスが必要となったのであろうか オスとメスが出会い 交尾し 子
供を生み 育てるとすれば 面倒くさいのではないか
現代においても 結婚せず 子供だけ欲しいという女性も多いという メスにとっては オスな
( 本書 p77 の図を 参考にして チャイロコメノゴミムシダマシ sはY染色体 図aは メスの体細胞 bは オスの体細胞 オスの精子は2種類 そのうちcは Y染色体をもつ dは持たない)
ど 邪魔くさいのではないか
昔 アメリカ映画だったか アマゾネスなる映画がありましたねえ いつもは女だけの世界 そ
れが子孫を作るときだけ 男を狩って 子作りをするというようなお話し
しかし 考えてみれば 神はなぜ すべての生き物に 雌雄なるものをお造りになったのか 不
思議な気がしますねえ オスというか 男は本来 必要でなかったのではないか
「<生命の基本仕様>-それは女である。本来、すべての生物はまずメスとして発生する」(裏
書)とあります
本書を読めば読むほど 小生の如き男というか オスは不必要な存在なのだと気づかされますよ
生きた証が 子供だけですからねえ
高校時代に習った生物の遺伝 染色体の世界からみれば 男性が作り出す精子には 22+X型と
22+Y型の2透りがあるのに対し 女性の作り出す卵子は 22+X型の一通りであり 受精卵中に 含まれるY染色体によって男性が生まれるという Y染色体によってのみ 男性が誕生す
(しかし Y染色体の効果は偉大ですぞ)
「大江戸ものしり図鑑」花咲 一男著 主婦と生活社 参考
るのだ それも 23本中の染色体中のただ一本の染色体によって 決まるのだ
今頃考えてもしかたがないも 不思議な気がしますねえ Y染色体そのものも 何時頃から 存在
するようになったのかしら それも 突然変異によって 誕生したのかしら これは本来なにもの
人間の性を司るY染色体 この発見から 性をめぐる諸問題を面白く お話しされているのだ 男性であることを威張ることなぞ とてもとても 久しぶりに 学術的な世界に
「 アダムがイブを作ったのではない。 イブがアダムを作り出したのである 」
(p166)
この表現など まだ 優しいほうだ 読む進めれば がっくりすること がっくりすること 男というか オスであることが 肩身が狭くなりますよ 本書の題名 「できそこないの男たち」
の世界が 赤裸々に
著者は 大学の先生 御専攻は分子生物学とか 難しいお話を 平易に かつ面白く書かれてい
ます 楽しいお話がまだまだ続きます