黄表紙(その10)ー黒本・赤本の謀計 | そろって浄土に弥次喜多道中膝栗毛

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残り少ない人生、死ぬのは苦しいものか、どうも痴呆老人になって死んでいくようだ。お寺の坊さんに頼んでいるが。
残りの人生、東海道中膝栗毛の弥次喜多道中のように気楽に行けないものか。

黄表紙(その10)ー黒本・赤本の謀計
        「江戸の本づくし」 鈴木 俊幸著 平凡社 参考

黒本の家が舞台 参集するは 黒本、赤本、新たに 塵劫記、年代記、道化百人一首 それに子供の小本 いずれも当時のいろいろな本を擬人化して 当時の出版事情などを 面白おかしくバロディ化したもの  

集まりし趣旨は 売れっ子のイケメン 青本にケチをつけんと 青本の妹 「柱隠し」を誘拐し 柱隠しの愛人「一枚絵」 と青本との中を裂うというもの ケチな話

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新たな出演者を簡単に紹介すれば

塵剛記 算法書 掛け算・割り算 庶民の算術入門書 実用算術書

年代記 干支と大きな出来事 世の中の珍事 男女相性善悪を知る事 有卦無卦を知ること

    年代記売りによる読み上げで売上 庶民の実用知識 歴史上の一口知識を含めた日常常     識 お上りさんの江戸土産 日常の指針・歴史・地理やらの知識 現代のタウン誌
 
どうけ百人一首 百人一首のパロディ 当世風俗の絵 もじり歌 だじゃれ

大津絵 鬼の念仏など 大津名物の肉筆画 世俗画 古典素朴 東海道中のお土産 次なる幼児    小本をあやしている様

小本 黒本の息子 草双紙の子供版絵本 豆本サイズの草蔵双紙 幼児用の小さき絵本

いずれも 売れ行きがぱっとせず 主役になりえない連中 髪型・身なりとも、当時の流行、おしゃれとは縁のなさそうな野暮なおやじ風 

どのような戦略を練ったものか いずれにしても しょうがない連中 ケチな話

ここで

    心あらば手向けてくれよ酒と水

         銭のある人銭の無き人

                    天野 広丸 (狂歌師)
              「辞世千人一首」 荻生 待也著 柏書房