買い物帰りに住宅展示場へ足を運び、まずヘーベルハウスのモデルハウスに入ったが、坪単価131万円という他のお客さんの商談を聞いて即退散。
次に入ったのは一条工務店。「家は、性能。」というキャッチコピーで、高気密高断熱や全館床暖房、トリプルガラスサッシなど、冬でも暖かい家として人気が高い。
夢発電という初期費用ゼロの太陽光発電システムや戸建住宅の免震装置も有名で、着工件数が急増しているらしい。
応対してくださったのは温厚そうな50代っぽい男性。家の装備や性能をゆっくりとした口調で次々と紹介していく。
「モデルハウスの設備や性能がそのままご自宅になりますゆえ、オプション費用が少なく済みます。後はメンテナンス費用も少なく済みますので、トータルでのコストパフォーマンスも良いです」というのが売りらしい。
一条工務店の特徴として、普通は外部のメーカーの製品となるキッチンやシステムバスを、自社で作ったオリジナル製品にしている点。
以前に建売を検討していた私としては、性能や使い勝手、耐久性が良ければどこが作ったものだろうと問題ないという感覚。
あとは価格と、相方にとってのデザインの好みだけが問題だろうと思っていた。
問題の価格。この段階では当然ながら間取りプランや見積額は出ていないので、必然的に坪単価が焦点となるわけだが、
「まったく同じ家を建てるにしても、お土地によって付帯工事費は50万円未満から500万円以上と大きく差が出ますので、本体工事費のみで坪単価をご案内させていただきます」と。
で、その坪単価は主力商品であるi-smartで約77万円という話であった。
「えっ?思っていたより安い!」
相方が興奮しながらそんな一言を口にした。
先刻のヘーベルハウスの坪単価131万円のインパクトが強すぎた事もあってか、かなりの安値だと感じたようだ。
ヘーベルハウスのあのお客さんの見積りが31坪だった。同じ坪数にすると、(131万円-77万円)×31坪=1674万円も差が出る。
「ここにしようよ!こんなに高性能な家、そうそうないと思うよ!」
相方が狂喜乱舞しながら私にそう言う。決して安くはないが何とか払える額だし、確かにモノは良い。外観や内装のデザインが垢抜けない感じはあるが、相方のこの様子を見るに、相方にとってもそう問題ないのだろう。
それならば一条工務店で私たち夫婦の新居を建てていただくとするか。そう決心した。
さっそく間取りの要望や工程、費用などについて営業マンと話を始め、土地がまだ未決定である事も伝えたうえで話を進め、営業マンがサラサラッと工程表を書いて私たちに見せてくれた。
請負契約、打ち合わせ、確認申請、追加契約、敷地調査、着工、上棟、お引き渡し等々のスケジュールが書かれている。
「弊社で家を建てたいとおっしゃるお客様が最近多くなり、恐縮ながら着工まで順番待ちにはなってしまいますが、工法がツーバイフォーなので、着工してからは早いですよ」
9月着工、12月引き渡し。まあそんなものか。
ここで相方が突然「うふっ」と笑いながら営業マンに語りかける。
「すみません。ここに記載されている年月、お間違えになってますよ?」
よく見ると、2019年となるところが2020年になっている。気づかなかった。そりゃ1年もずれていればオイオイってなるわな。
年末年始の忙しい時期だし、年を間違えるのもやむ無し。私もそういったミスを仕事でやらかした事がある。わかるわかる。
「えっ。あー、ここの部分ですね。2020年ですよ。」
「えっ。まだ年が明けてないので『来年』は2019年ですよ?」
「えっ。あー、仰る通り、来年は2019年ですよ。もう、びっくりさせないで下さいよー。間違えたかと思いましたよ」
「えっ」
「えっ」
ここで私は考えた。
もしかして:着工は再来年
「はい。大変申し訳ありませんが、お待たせしてしまいます。しかし、その分だけじっくりプランを練らせていただきます」
私が「一条工務店でマイホーム」を断念した瞬間であった。1年待ちはわかるけど、人気とは言え、流石に2年はないなあ。(次回に続く)
