記者サロン「すごいぞ!奈良の古墳」 | 生野眞好の日本古代史研究会記録

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在野の古代史研究家 生野眞好(しょうのまさよし)先生の勉強会や月刊誌フォーネットに連載中の記事の概要などを紹介しています。
「魏志倭人伝」や「記紀」などの文献史料を中心に邪馬台国の位置、ヤマト王朝と先興の奴国王家との攻防(宗教対立)と共存などの検証です。

 朝日新聞の記者サロンにオンラインイベント「すごいぞ!奈良の古墳」が紹介されていて、早速観ました!

 富雄丸山古墳と櫻井茶臼山古墳を中心に最新の考古学の研究成果が聞けてとても興味深い内容でした。

 残念ながら古墳のほとんどが被葬者が特定できていないせいか、「古墳」の成り立ちや副葬品の鑑定ばかりで、なかなか登場人物というか主役が出てこないもどかしさをぬぐえませんでした。被葬者不在のままでは史実も歴史のストリーも心に響かない悲しい

 また、考古学研究者には「邪馬台国=近畿説」が多いとは聞いていましたが、なるほどこんな感じなんだぁって実感ですショボーン

「卑弥呼」と「邪馬台国」について相変わらず「邪馬台国の女王卑弥呼」だし「邪馬台国」を当時の列島(日本)を代表する(統一)国家としている。

 このブログでも何度も書いていますが、『三国志 魏志倭人伝』の中に記述されている「卑弥呼」は「倭王」であり、「邪馬台国」は倭国の首都(女王之所都・・)です!

 倭人伝には卑弥呼側の勢力に属していない狗奴国だけは男王(卑弥弓呼)の記載があるけど、その他周辺国には王の名前はなく、官名と副官名が記載されている。つまり当時卑弥呼が王となった「倭国」は中央集権国家になっていたことがわかります。

 

 ほとんどの古墳に文字情報を含んだ副葬品がないという現象(事実)について、古代日本人の死生観や死者の弔い方など研究はされているのだろうか?

 考古学という範疇でなければどんな分野なんだろう・・宗教学かな?

「神道」では「死」は穢れたものだから死者の名前を残すとまずいとか・・・そう言えば古代日本では本名はあまり使用せず諱を用いていたそうだから、名前と命(魂)には現代人より深い関係があったのかもしれない。