著名な思想家の米中論を読んでいて、ちょっと残念な箇所発見
中国の統治モデルを説明する一例として、魏帝から卑弥呼に下賜された「親魏倭王」の金印について紹介されているが、下賜された金印が「親魏倭王」となっているのに卑弥呼を「邪馬台国の女王」と書いている。
卑弥呼は倭王(やまとのおおきみ)であり、邪馬台国は倭国の首都です。
魏志倭人伝には「南至邪馬壹国女王之所都(みなみやまたいこく(※やまと)にいたる。じょおうのみやこするところ)」と記述されています。
あぁ~、思想家であり知の巨匠のような人でも専門外の部分では初歩的な文字の検証をしないまま人口に膾炙した「いわゆる邪馬台国問題」程度の知識で済ませてしまっている
先興奴国(「漢委奴国王(かんのわのなこくおう)」:生野説ではスイショウ、銅鐸祭祀)と後興ヤマト勢力(「親魏倭王」:生野説では卑弥呼を倭王として共立。銅鏡祭祀)の宗教戦争や「邪馬台国=糸島平野」説などを理解してとまでは言わないが、せめて卑弥呼を「邪馬台国の女王」とするのはやめて欲しい
*******************以下、1/29追記
今、過去の「独り言」を読み返していたら2020年12月8日に「卑弥呼は倭王です!」という同じタイトルで書き込みしていました
卑弥呼が倭王(やまとのおおきみ)に共立された頃の統治機構についても言及しています。ご参考まで