隣の頼るべき人の腕にしっかりとつかまっている。
みんなの祝福の声にその愛しい人と見つめあうと、幸せそうな笑顔で笑った。
青空の下、フラワーシャワーを浴びて教会からの階段をゆっくりと下りてくる。
『優紀、おめでとう』
階段を下りきったところで声を掛けられ、花嫁の目から涙がこぼれた。
『あらあら、相変わらず泣き虫ね(笑)』
そう言って笑った女性(ひと)に、
「だって…だって…」 と、言って抱きつく。
『幸せになるのよ』 そう声を掛けられて、濡れた頬のままとろけるような笑顔で頷いた。
〈麻紀…いや、これからは《義姉さん》って、呼ばなきゃいけないのかな?(笑)〉
2人の様子を見守っていた新郎が話しかけてくる。
『止めてよ(笑)。 妹と結婚したんだから確かに義弟なんだろうけど…』
〈じゃあ今まで通り、麻紀でいいな?(笑)〉
『うん。そうして(笑)』
〈そうだ。優紀…〉 何かを思い出したように新郎が新婦を促す。
「お姉ちゃん、これ…」 新婦が淡い色でまとめられたブーケを差し出してきた。
小ぶりの可愛らしい生花を使って、優しい感じに仕上がっている。
『気に入ってくれた? 優紀のイメージで作ってみたんだけど』
「うん♪全部お任せにしたけど、やっぱり《さすがはお姉ちゃん♪》って思った(*^.^*)」
「でね…」 そう言って、隣の新郎と顔を見合わせる。
『?』
〈これ、お前が貰ってくれね~か?〉
『私が?』
「うん。だってブーケをもらった人が次にお嫁に行くんでしょ?」
〈妹のコイツの方が先になっちゃったけど、麻紀にも早く幸せになって欲しいんだよ〉
『…』
〈…俺達みたいに( ̄▽+ ̄*)〉
『それって…ノロケ?((o(-゛-;)』
〈ん~? まあな~♪ でも、幸せになって欲しいのはホントだぞ。 大事な《義姉さん》だからな〉
そう言って花嫁と頷きあった。
『《義姉さん》か…』 受け取ったブーケを手に呟く姿からは笑顔が消えていた。
みんなは幸せそうな主役の2人に注目していたが、1人だけその様子に気づいている者がいた。
その事に彼女自身はまだ気づいてはいない。
つづく