バスルームから聞こえるシャワーの音を聞きながら、ベッドで直樹君を待っていた。
初めてでもないのに少女のようにドキドキして頬が火照る。
シャワーを済ませた直樹君がベッドへと入ってくると、背中を向けたままの私を後ろからそっと包みこんだ。
ため息まじりにうなじにかかる息が熱くて、それだけで胸がキュンとして気持ちが高ぶる。
ゆっくりと直樹君の方へと身体の向きを変えさせられた時には、堪えきれずに涙が零れていた。
戸惑いの表情を見せる直樹君に懸命に笑ってみせる。
悲しくなんてないのに、幸せなのに、涙が溢れてくる。
優しい顔で笑った直樹君が頬の涙を拭いながら、そっと唇を重ねてきた。
「忘れさせるって言ったけど…」
唇が離れると私の髪を直しながら言う。
「忘れなくていいから…。彼を好きなままでいいから…。だから…。
いつか僕の事も、彼以上にもっと好きになって」
『直樹君…』
伝えたい想いはたくさんあるのに言葉にならない。ただ夢中で直樹君にしがみついた。
愛してるか?と訊かれても、今は答えられない。
でも、直樹君を求める今の気持ちは本物だった。
直樹君に見つめられながら、ゆっくりとひとつになった。
男の顔した直樹君に胸の鼓動がどんどん早くなって、
触れられる身体も敏感になるのに、あの日と違う優しい動きがもどかしい。
『どう…か…したの?』 そう訊いた私に困ったように直樹君が答えた。
「だって、潰しちゃったら…」
馬鹿ね…。
『まだ大丈夫よ(笑)』
「本当に?」
笑って頷いたけど、そんな直樹君にまた幸せを感じて身体が反応してしまう。
いつか直樹君の愛に負けないくらい直樹君を愛せるかな?
そして、私も直樹君を支えられるようになりたい。幸せを感じてもらいたい。
そんな事を思いながらも、だんだん何も考えられなくなっていく。
「和美?」初めて私を呼び捨てにした直樹君にまた身体が熱くなる。
頷いた私に安心したように動きを早める。
直樹君の愛を身体の奥で受け止めながら、私も幸せな波にのまれていった。
つづく