俺にもたれてくるサチの肩を何もせず、ただ抱いていた。
サチは安心したように、いつのまにかそのまま眠っていた。
サチは何故あの日、俺の所に来たんだろう?
オトコと会っていたハズなのに何故?俺に会いにきたんだろう?
それからは、サチが求めてこなくても俺から求めるようになった。
サチにオトコがいる事は知っていたことなのに、いざそいつを目にすると、今までと同じではいられなかった。
サチを抱いていても、あのオトコがちらつく。 俺はいつからこんなに嫉妬深くなったんだ?
何かから逃れるように、毎回、貪るようにサチを抱いた。
そして、その度にサチも激しく乱れ、俺を求めてきた。
その日、俺は新しく担当になった取引先に挨拶に出かけていた。
以前はサチが担当していたのだが、本人の希望で担当から外れていた。
『他の担当で手一杯』という事だったが、
仕事に厳しいサチが自分から『外して欲しい』と言い出した事に違和感を感じていた。
応接室に通され、先方の担当者を待つ。
やって来たのは…あの男だった。
サチの帰りを駅で待っていた日、サチを迎えに来ていた男。 …サチのオトコ。
〈あの…〉
挨拶を済ませ帰ろうとした俺に、そいつの方から話しかけてきた。
〈以前の担当者の方は元気にされてますか?〉 丁寧な物腰で訊いてくる。
「サチ先輩ですか? 元気ですが、何か?」 そう答えた俺に、
〈いや…。よろしくお伝え下さい〉 と言うと、そいつは少し寂しそうに笑った。
「どういう事なんだ?」 会社に戻りながら、いろんな事を考えていた。
サチはオトコと会っていないのか? 担当を外れたのはそのせいなのか?
会社に戻ると、サチは《打ち合わせ→直帰》となっていた。
終業時間を待って、俺はサチの部屋へと向かった。
つづく