サチが連絡してくる事はなかったし、俺の方から連絡する事もなかった。
だから、毎週、月曜日が待ち遠しい。…サチに会いたい。
でも、その日、会社にサチの姿はなかった。
休み中に起きたトラブルの処理で、サチは朝1番の新幹線で地方に飛んでいた。
少し時間がかかるようで、2~3日は戻れないだろうという事だった。
その間、サチからの連絡はなかった。
俺はサチが戻るまでの数日をジリジリした想いで過ごしていた。
トラブルが片づいて、サチが帰ってくると分かった日、俺は駅に来ていた。
何時の新幹線かなんて分からない。でも、もう我慢ができなかった。サチに会いたかった。
「近くまで来たから」「ヒマだったから」 いろんな言い訳を考えながら、サチを待った。
改札にサチの姿を見つけて声を掛けようとした時、俺より一瞬早くサチに声を掛けるヤツがいた。
チのオトコだ…根拠は何もなかったが、何故か間違いないという確信があった。
俺はサチの荷物を持ったオトコと、一緒に歩いて行くサチをボンヤリと見送った。
♪~~~♪~~~♪~~~
部屋で酒を呑み、そのまま寝てしまった俺は、深夜、携帯の鳴る音で目が覚めた。
「…もしもし…」 寝ぼけたまま携帯に出る。
『…ゆ…すけ?』 聞き取れないような小さな声…。
「…サチ?」 俺は飛び起きた。
黙ったまま頷いているサチの姿が浮かぶ。
「…どした?」
『…うん…今日…帰ってきた… 』
「…そか…」
……会話が続かない。
『…それだけ。…ごめんね、こんな時間に。…切るね』 サチが携帯を切った。
携帯が切れる前の一瞬、部屋の外を通ったパトカーのサイレンと同じ音が聞こえてきた。
「?…まさか…」 俺は部屋を飛び出していた。
サチの後姿が見える。
俺の声に振り向いたサチに近づくと抱きついてきた。
「ばかやろぉ…来てるんなら、何で言わね~」
『…だって、迷惑かなって…。雄輔…1度も連絡くれないし…』
「お前だって…連絡よこさねぇじゃね~か。
…迷惑だなんて、思ったことねぇよ。 言ったろ? 甘えてって。 我慢…しね~の!」
サチが頷きながら、声をあげて泣いている。 初めてだな。 お前が声をあげて泣くなんて…。
『雄輔…会いたかった』
サチ…俺は代わりだろ?
なのに俺…お前の事、独り占めしたくなっている。
なぁ、サチ…俺、どうしたらいい?
つづく