和美が部屋に突然泊まった日から数日後、俺は和美の勤務先の近くで仕事をしていた。
夕方、仕事が終わり、そのまま直帰になった。
ちょうど和美の仕事の終わる時間だったので、そのまま近くで帰りを待つ事にした。
この前の和美の様子が気になっていた。
休み前じゃないのに泊まった事もそうだが、あの日は、明け方近くに再び和美の方から求めてきた。
そんな事は今までになかった事だった。
「和美♪」 出てきた和美に声をかける。
〈雄輔!どうしたの?〉 驚きながらも、嬉しそうに笑う和美にホッとした。
和美のショッピングに少し付き合って、それから一緒に食事をした。
仕事や友達の話などをする和美は本当に楽しそうで、いつもと変らない様子に安心していたのだが・・・。
和美がトイレに立っている時、携帯が鳴った。 サチからだった。
『雄輔?』 少し酔っているようだった。
「飲んでんすか?」
『ん~、ちょっとね~』 そう答える声が沈んでいた。
「何か、あったんすか?」
『雄輔・・・』 サチが何か言いかけたところに和美が戻ってきた。
〈雄輔~〉 何か話しかけようとした和美が、俺が携帯で話してるのに気づき、慌てて止める。
その声がサチにも聞こえたようだ。
『・・・ごめんなさい』 サチも慌てて携帯を切った。
向かいの席に座った和美が不安そうに俺を見ている。
分かっていた、頭では。 でも・・・。
沈んだサチの声が耳から離れなかった。
「和美、ごめん・・・」 そう言うと、俺は和美を残し、店を飛び出していた。
つづく