「あれ?あの後ろ姿・・・」
仲間数人と飲んでいた俺の目に、奥のカウンターで1人で飲んでいる女の姿が留まった。
次の店に向かうという仲間を先に行かせ、俺はその女に声をかけた。
「先輩?」
『あら?雄輔』
「1人ですか?」
会社の同じ部署の先輩。 確か4つくらい上だったかな?
今日は約束があるから、定時であがりたいんだ♪ って、確かそう言ってたよな?
『うん。振られちゃったぁ~(。・ε・。)』 と笑う。
『ごめんね。雄輔も一緒にお昼休み返上で頑張ってくれたのにね』
「・・・俺でよかったら、付き合いますよ」
『え?・・・』 先輩が驚いた表情をみせる。
いや、言った俺自身も驚いていた。 同じ部署ってだけで、特別親しかった訳じゃないから・・・。
でも、いつもと違うちょっと寂しそうな様子に何だか放っておけなかった。
『・・いいの?』 そう言った先輩に、「おごってくれますよね?」 と言うと、
『ちゃっかりしてるわね(笑) いいわよ』 と、やっといつもの笑顔をみせてくれた。
会社の上司の悪口?や、同僚の武勇伝、そんな話をしながら楽しく呑んだ。
初めて会社以外で見る先輩は、可愛らしい普通の女性だった。
その事を先輩に言ったら、
『会社での私って、いったいどんな印象なのよ?』 って少しふくれてたけど、そんな様子も何だか可愛かった。
楽しく飲んで、いい感じに酔っ払って、帰ることに・・・。
約束どおり、支払いは先輩がしてくれた。
財布を取り出そうとした先輩が、バックを落として、中身が床に散らばる。
『あ~、もうヤダ!飲みすぎちゃったかなぁ・・・』 そう言いながら、慌てて拾い集める先輩を手伝った。
つづく