その日、私は病院のベッドの中から逝ってしまったあの人を送った。
永遠の別れ。
できる事なら、最後の最後まで傍についていたかった。
いや、一緒に連れて行って欲しかった。
叶わぬ願い。許されぬ想い。
悲しみすぎた心は何かを感じる事さえ拒絶して、私はただぼんやりと目の前の空間を見つめていた。
今から6年前の出来事だ。
今、私は毎日を元気に働いて過ごしている。
小さなウエディング企画会社のウエディングプランナー。
幸せな門出のお手伝いができるこの仕事が私は好きだった。
みんなの笑顔を見ながらこちらも幸せな気持ちになれる。そんな時間が好きだった。
「香夏子(かなこ)、順調か?」 剛士が声をかけてきた。
『ん。タイムテーブル通り(^_^)v』
剛士は死んでしまった彼の親友だった。
「人の幸せもいいけど、香夏子はどうなんだ?」
『さぁ、ど~かしらね~?(´0ノ`*) 教えない!』 おどけて答えておいた。
あの人の事を忘れた訳ではないけれど、新しい恋をして幸せを見つけて・・・
その方がきっとあの人も喜んでくれる。安心してくれる。
そう思ってたけど、もう6年。・・・いや、まだ6年?
恋を『しない』んじゃなくて、『できない』 そんな想いをずっと抱えていた。
そう、彼に会うまでは・・・。
つづく