【恋夢】素直になれたら・・・7 | カンタ印  元気印

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日々の出来事、思った事などをとりとめもなく...

『私、何やってるんだろ?』


つる兄にアパートまで送ってもらった後、私は雄輔の店の前まで来ていた。


店はとっくに閉店していたが、きっと雄輔が後片づけをしているのだろう?窓からは明りがもれていた。 


『帰ろう』 そう思った時、店の入口が開いて、ゴミを持った雄輔が出てきた。


「咲希?どしたの?こんな時間に?」


私が返事に困っていると


「とにかく中、入れよ。風邪ひくぞ」と言ってくれた。


店に入ると、何となく私はカウンターではなく、海の見える窓側の席に座った。


「寒ぃ~なぁ。今、マルコポーロ淹れてやっからな」


しばらくすると店内の明りが消えた。


「電気ついてっと、外、見えね~だろ?」 雄輔がこちらに来ながら言う。


私の前にマルコポーロと灯りの点いたキャンドルを置くと、カフェオレのカップを手に隣の椅子に座る。


「この前は世話になったな」 ボソッと言う。


『私こそ、取り乱しちゃって・・・もう大丈夫なの?』


「あぁ、すっかりな(-^□^-)」


「・・・何かあったか?・・・話したくなければいいけどよ」


しばらく会話もなく、2人で窓の外を眺めていた。


「咲希?明日、仕事は?」


『お休み』 別れた彼と顔を合わせたくなくて、休みにしていた。


「・・・泊まってけよ」


雄輔は席を立つと缶ビールを2本持ってきた。


「オレも今日は飲みてぇ気分だし、朝まで一緒に飲まねぇか?」


後ろの大きなテーブルの壁ぎわの席に座ると私を呼んだ。


私は黙ったまま雄輔の隣に移った。


「乾杯♪」 雄輔が言う。


『何に?』 少し笑いながら聞く。


「じゃあ、咲希と一緒の時間に♪」


『何それ?』 笑いながらも乾杯した。


雄輔と2人。静かでゆっくりとした時間が流れる。私の大好きな時間。


『あ・・雪・・』 窓の外にはいつしか雪が降りだしていた。


「ホントだ。寒ぃわけだ」


雄輔は毛布を持ってくると私を包んでくれた。


1枚の毛布にくるまりながら左肩を抱き寄せられる。


ドキドキした。『雄輔、何か恥ずかしい・・・』


「他に誰もいねぇんだから、気にすんな」 何かいつもの雄輔と違う?


「咲希・・・すまねぇな。オレ、何にも返せなくて・・・」


『・・・・・』


「お前にはいっつも元気もらって、助けてもらって、なのにオレ、咲希に何もしてやれねぇ・・・」


『雄輔・・・。大丈夫・・だよ。いっぱい・・いっぱいもらったから。ここで雄輔と過ごした時間、宝物だから・・・』


「咲希・・・」 雄輔は肩にあった手を頭に持ってくると、自分の方に引き寄せて、髪に軽くキスをした。


「この香り、変わんねぇな~。オレが好きだった香りだ」 雄輔がつぶやくように言う。


「オレ達、何でこうなっちゃったんだろうなぁ・・・」


『そうだね・・・』


窓の外にはいつまでも雪が降り続いていた。


                                                        つづく