雄輔と私は都内のホテルで働いている時に知り合った。
今から2年と少し前。雄輔も私も同時期に中途採用で入社していた。
だからと言って、特別親しかった訳ではない。もちろん普通に話くらいはしていたけれども・・・。
あれは、春の終わり頃だったと思う。夏を思わせるような少し暑いくらいの日。
お休みの私は散歩がてら海に来ていた。
そろそろマリンスポーツを楽しむ人なんかもいて、私はのんびりとそんな海を眺めていた。
サーフボードを抱えた男性がこちらに向かって歩いてくる。
逆光で顔は見えない。濡れた髪に傾きかけた陽が光って反射していた。
鍛えられた身体のシルエットが綺麗だった。
その人は近くまで来ると、私に気づいて立ち止まった。
「・・咲希・・さん?」 それが雄輔だった。
「何でこんなとこいんの?」
『私、この近くに住んでるの。雄輔君、サーフィンするんだ?』
そのまま並んで話をした。
「こっからじゃ、通勤大変じゃね?」
『そう大変(´ `。) でも、海のそばから離れたくなくって・・・』
わかる、わかるって、雄輔は頷いていた。
それから私達は急速に親しくなった。
休みの度ごとにやってくる雄輔と一緒に過ごすようになった。
ホテルの勤務はシフト制だから、休みが合わない事も多かったけど、可能な限り一緒にいた。
一緒に過ごす時間が楽しかった。
そんな時間がしばらく続いた頃、雄輔が言った。
「咲希って、希望が咲くって書くのな?何かいいよな♪(-^□^-)」
雄輔の口からその言葉が出たのが、何だか不思議だった。
本当にその通りだったから。
私の父は私が生まれる前に事故で死んだ。
絶望してた母を救ったのが、その直後にわかったお腹の中の私の存在。
「咲希さん、お袋さんは?」
『母も大学を出た年に死んだわ』
「じゃあ・・・」
『そうね。今は・・ひとりね・・・』
その日、雄輔は初めて私を抱きしめてくれた。
雄輔が「ひとりだなんて言うなよ」・・・そう言ってくれてる気がした。
「なぁ、咲希さんって、呼びにくくね?オレ、いっつもカミそんなんだけど・・・。咲希・・でいいよな?」
雄輔が照れくさそうに言った。
へんな理屈( ´艸`) でも嬉しかった。
その日から私達は「咲希」『雄輔』と呼び合うようになった。
つづく
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昨日、記事が消えた理由。
『タイトルを入れずに保存→エラー表示を確認せずに画面OFF』の流れと思われます。
『タイトルは最初に』&『こまめな保存』 気をつけましょう(・∀・)