今日、エコーズのストーリーブックを読んだ。羽生さんの思索・思考の幅や深さに驚くとともに、文章表現の文学性にも感嘆させられた。
 公演前に、あまり多くを書くことはタブーかもしれないが、時間(過去、現在、未来などという)に対する考察の深さ、一人ひとりの人間・人間の命の平等性を語る深い人間愛、現在、世界や日本国内で起こっていることへの批判的な視点など、心から感動し共感した。
 埼玉公演を見てから、もう少し詳しく書けたらいいなと思うが、第一章の文末のほとんどが、「お見せください、〇〇な音を」「〇〇な音をよく聴くといい」「〇〇の音を奏でてください」「〇〇の音よ、響け」など、さまざまな音を響かせ奏でるので、聴いて欲しいという終わり方をしている。羽生さんの「音」とは、様々な文字や言葉を身に宿したもののようだから、スケートという身体表現そのものなのだろう。だから   〇〇に入る言葉に注目すると、羽生さんの表現したいものが、うっすらと分かるかもしれないと思った。
 羽生さんは、本当に崇高かつ清冽で愛情深い人格なのだと思った。

 このストーリーブックは、羽生さんの20代最後の、深い思索と豊かな感性とが最高の形で表現された、記念碑的な作品だと思う。私にとっても唯一無二の宝物だ。