アン・リーの「父親三部作」の二作目☆
アメリカで実業家となったウェイトンは台湾の両親に自分がゲイで恋人がいる事が言えず、
偽装結婚をする(・・)
もちろん無事に嘘をつきおおせるわけもなく、色々ドタバタするわけであるが。
相手はアメリカの永住権が喉から手が出るほど欲しい画家のウェイウェイは
ウェイトンとサイモンの事情を知った上で、偽装結婚の相手になる事を引き受ける。
ウェイウェイはウェイトンの両親に気に入られたが、
ウェイトンもウェイウェイもだんだん嘘をついているのが辛くなってくる(・・)
アメリカでの結婚式の後、心臓を悪くして入院するウェイトンの父親。
父親にショックを与えないように家族は気を遣うのだが、
実は父親は全てをお見通しで、息子がゲイである事も知っていて、
サイモンだけにひそかに「息子の事をよろしく頼む」と言うのだった。
「君も私の息子だよ」
と言う事で、父親はウェイトンのパートナーという事を認めている。
更に
「私が知らずにいれば何もかも丸く収まるから」
とサイモンに口止めをするのだった。
この作品もそうだが、この三部作の父親は周囲が心配するより遥かに強かなんだよね~(^^)
ウェイウェイは酒に酔ったはずみでウェイトンの子供を妊娠してしまうが、すったもんだの末、
彼女が子供を産む事を決意すると、ウェイトンとサイモンはその子供の父親になると約束する(^^)
サイモンにとって彼の子供でなくとも、ウェイトンの子供の父親になれる事が
本当に嬉しい事なんだろうと私は思っちゃったんだけどね~(^^)
台湾へ帰るウェイトンの両親をウェイトンとサイモンとウェイウェイ(とお腹の子供)が
一緒に見送るところと、
息子がゲイであると知りながらお互いに知らぬ振りししてとぼける両親夫婦の会話は
本当に優しい☆
「優しさを受け止める事」は、何かをしたり、してもらう事ではなく、
その気持ちを受け止める事なのだ。
息子は両親に嘘をついてまで願いを叶えようとし、
父親は嘘をついてまで願いを叶えようとした息子の気持ちを汲んでだまされた振りをする。
母親は父親の心臓を気遣い、息子がゲイである事にショックを受け涙ぐみながらも、
「私、幸せよ」と嘘をつく。
互いの行動はすれ違っているけれど、互いの優しさは通い合っている☆
何回観ても楽しめるのは心があったかくなるからなんだろうね~(*^^*)
家族って、この家族みたいにあったかいばかりじゃないけど、
こんな気持ちでいたいな・・って自分の中に理想像は持っていたいね☆