今日もおじいさんは
お話を聞かせてくれる
レンガの暖炉に火をつけて
オレンジに染まったこの部屋で
ベットに入って耳を傾ける
今日のお話は何かな何かな

『むかしむかし嘘を付くと
鼻が伸びてしまう
操り人形がいました
鼻が伸びるのが嫌なので、
彼は嘘をつかない
正直者になりました』

おじいさん、おじいさん
この子は間違ってるよね
なんでお鼻を切らないの?
伸びたら切ればいいじゃない
何回でも嘘付けるように
何回でも逃げられるように
怖がってたらほら!
何もできなくなっちゃう!
切ったお鼻はほら!
暖炉で燃やそう!
全部忘れちゃえばいいんだよ
自分を傷付けたことさえもね

今日もためになるお話を
どうもありがとう
見ててねおじいさん
僕は立派に育ってみせるから

あの…
ちょっといいですか?
赤い絵の具が足りなくて…
よろしければあなたの分
少しだけ分けて
いただけますか?
水性の絵の具持ってる人
なかなか見当たらないんです
頑張って私の絵
完成させますから…
どうかお願いします…


母からもらったこの筆で
まだまだ描きたい絵があるの

この線はもっと太くしたい
線の真下にハートを2つ
3つでもいいかもね
少しずつ大きくするんだ
大きい立派なハートにね
赤いほっぺにキスマークつけて
暖かい背景は柔らかい赤で

完成には程遠いからほら
赤い絵の具
私の絵
見てみたくないですか?
きっと楽しい絵になりますよ


足りないの
掠れそうなの
早く筆に赤染み込ませてよ
パレットから落ちる赤い雫
まだこの筆置くわけには
いかないから

お願いします…
赤い絵の具が足りないの…

こんな時だから言うけどね、
誰かが言ってたよ。
『キミだけが生きてれば
ボクはそれで…』
そんな悪魔みたいな計画立てて。
全てが思い通りにはならないって
教科書に書いてなかったっけ?
キミの狭い世界には
それすら映ってないんだね。
ほら気を付けなよ、
現実が待ってるから。


なんて不謹慎で無関心な野蛮人
なんで血点々てしてんねんって御乱心

その血が点々はダメなのかい?
他の血が点々ならいいのかい?
命って何だい?
平等って何だい?

壊れた天秤で量ったら
あ~ほら絶対そっちが
下がるに決まってんじゃん
ちゃんちゃん♪