大根の旬たる冬が始まります。
個人的には決して喜ばしいことばかりではありませんが、四季のある国に育ったならば受け入れるしかありません
ま、どうせ受け入れるのなら
おいしく受け入れる
というのが、みかん亭の信条
冬の代表格たる食材、大根をおいしくいただくことにしましょうか。
さて、大根。
下ゆでする際に使うのは、お米の研ぎ汁なんてのが有名で、場合によっては糠だったり、どちらもなければ生米をどーんなんてことをやったりします。これらを使う主たる目的はあく抜き。苦味やえぐみなんてのを抜こうという試み。
お米の研ぎ汁や生米あたりだと、下ゆで後にサッと洗えば済みますが、糠を使ったとしたら糠の匂いを抜くためにもう一度ゆでるなんてことをしなくちゃならないこともあります
ま、おいしくいただくための手間ですから、その手間の結果は必ず現れるとはいえ……
実際には、あく抜きをしなくちゃ食べられないような大根に出逢うことは多くの場合においてありません
ならば、大根を下ゆでする主たる理由は、加熱することによって組織を破壊して柔らかくし、後に味を染み込ませるための準備と考えられます。
で、最近?では、
砂糖を加えた水でゆでろ
と言われています。
有名な料理の『さしすせそ』でも、砂糖は最初に入れるべきものとされ、柔らかくした具材を準備することが味つけの基本であることを教えています。砂糖と同時に入れてよいものとして、清酒と本みりんがあって、これらも、具材を柔らかくする効果が含まれています。煮崩れ防止しつつ柔らかくできるわけですね
塩を加えられた料理酒だとか、酒類に分類されない(アルコール度数1%未満の)みりん風調味料(発酵調味料と明確に区別する必要があります)の場合の効果は異なります
せっかく覚えたので、ここにメモ_φ(・_・しておくことにします
■材料(18cm鍋) 豚肩ロースしゃぶしゃぶ用*1 100g 大根 350g*2 だしパック*3 1パック 水 400ml*3 しょうが 10g しょうゆ 大さじ1.5*4 砂糖 大さじ1*4
大根は皮を厚く剥いて2cm厚に切り、2つ~4つに割る(半月かいちょうに切る)。鍋に入れて400mlくらいの水(かぶるくらいの水)と、砂糖(分量外) 小さじ2(6g)*5を加え、竹串がスッと通るまで、10分を目安にゆでてザルに取る。
しょうがは皮を剥いて2mm厚にスライスして千切りにする。
鍋に下ゆでした大根(
)を並べて水を入れ、だしパックを加えて火にかける。沸騰したら弱めの中火にして5分*6煮出し、だしパックを取り出したら砂糖を加えて中火で5分煮る。
しょうが(
)を散らし、しょうゆを加えて更に中火で5分。
鍋底から大きく混ぜて、豚肉を加えて(極薄切りなので、切らずに入れます)中火で3分煮たら火を強め……
はいっ、わざとらしく
本日もアク取りブラシ*7を使ってます(笑)。
7~8分*8煮て火から下ろし、蓋をして冷まして味を含める。
器に盛っていただきます
*1 薄切り肉。一般的には、豚バラ肉を使うところだろうと思います^^;が、 最近のみかん亭では、豚肩ロースを好んで使っています。今回はイベリコ豚
ま、えのきとしぐれ煮を作った残りですね
*2 直径12cmで長さは8cmほど。
*3 だしパックは水400ml分。かつお昆布だしにしました。
*4 お好みで、しょうゆは大さじ2、砂糖は大さじ1.5くらいまでを目安に調整してみてください。
*5 水に1.5%ほどの砂糖を溶かして下ゆでします。砂糖はきび砂糖が良いと言われています。
*6 だしパックの指定時間。うま味調味料や粉末しょうゆが加えられているものならば、1分から長くて3分ほど。もちろん、あらかじめ準備しただし汁で。
*7
*8 もちろんここで煮汁を煮詰めてしまっても。みかん亭では温め直しが大前提なので汁気を残してつくります。
さて、一般的には豚バラ大根と呼び、豚バラ薄切り肉を使い、バラ肉である必然性があるわけで、脂身の全くない部位で作ったものとは別のものと言っても良さそうというのが、みかん亭の見解
でも、肉じゃがのお肉にしても、豚肉派がいらっしゃる一方、牛肉以外は認めないと言われるかたも、鶏肉をイチオシされるかたもおられるわけで、みかん亭はご存知のとおり、
どれもおいしい派
となれば、みかん亭で問題となるのは、呼び方
豚肩ロース大根? それともシンプルに豚と大根の煮物?
なんてのでひと騒動になるのが常
豚肉と大根のこっくり煮でいいと思うの。
こっくり煮ってわかるようでわかんないよね。でも、こっくりさんと関係ないんならいっか
こうして、みかん亭では、しょうゆが染み込んだ大根の色を
こっくり色
と呼ぶようになったのでした。
photo by miiinaamiii さん via photoAC