皆さん、てんにちは〜☀️ てんばんは〜🌙

こちらは2024年2月20日に発売された転天の原作⑧巻の感想文です。

他の方の感想を読む前に、まずは自分の感じたことをまとめておきたいという意図で書いています。

ネタバレを含むので自己責任でお願いします。







転生王女と天才令嬢の魔法革命⑧

著:鴉ぴえろ 画:きさらぎゆり


本作は序章<オープニング>と本編第1章〜第6章、そして終章<エンディング>で構成される。

大筋は「魔学都市の建設が進む裏で起こる、ユフィリア視点が中心になって描かれるパレッティア王国の行く末を左右する大掃除」といった具合だろうか。

上手く言葉にまとめられない。

ここからは印象的な一文と感想を書き連ねていく。


①「この国は今を生きる人の国だ。」

国をも滅ぼせる力を手にして、人ならざるものとなったアニスとユフィ。それでも、魔法革命によって国を変えるとしても、歪めたくはないという想いがグッとくる。国の未来の話から、学生時代のユフィの話、そしてユフィアニの愛の話に話題が移ろうのも自然な導入として上手すぎてウマになった🐎


②「ーーどうして、私は貴方を侮って虐げる国なんか守っているのだろう、と」

腐敗しきった西部の貴族にアニスを侮辱され、キレてしまったユフィ。その激情により、ユフィは睡眠や食事を受け付けない脱人間化のような状態になる。己の存在すらも揺らがせるほどのアニスへの想いが、やるせない言葉となってしまったことに胸が締め付けられた。


③「お姫様抱っこで誘拐される身にもなりなさいよ」

トレンドに載る女、ティルティのセリフである。ユフィの一大事に慌てたレイニがティルティを拉致ってきたわけだが、なに? 突然のレイティル?? きさらぎゆり先生のイラスト可愛すぎる……。レイニ(15)にお姫様抱っこされるティルティ(21)の図……ユフィが大変だというのに笑顔になってしまったじゃないか。ちなみにBOOK☆WALKERの特典SSでもレイニがティルティを横抱きで拉致っているが、本編ではハルフィスのところにいたティルティを拉致ったのに対して、特典SSでは朝にメイドといる所を拉致られている。もしかして2回やってる???🌸🔮


④「私がいるじゃない」

精霊契約者リュミ様のセリフ。心と身体への負担により、精霊契約者として魂と肉体の乖離が進んだことで、人としての欲求や感覚を失ったユフィ。そんな彼女に寄り添ったのがリュミ様だった。彼女の場合、誰も寄り添ってくれる人はいなかった。リュミ様を人の形に留めているのはたった一つの「国の未来を見届ける」という義務のみ。辛くてまるで呪いのようだとも言うが、同時に、それでも幸せだった記憶があるから、やがてくる終わりを待つことができるとリュミ様は言った。それに、アニスとユフィなら自分の夢みる未来を見せてくれるかもしれないと微笑む。ユフィとリュミ様の、同じ運命を抱える2人だからこその関係性にグッときた🌈🧝‍♀️

それとは別に、ティルティにちょっかいかけるリュミ様も最高なので、リュミティルの絡みも今後増えると嬉しい✨


⑤「逆の立場になって、初めてわかった。(中略) こんなの、耐えられないよ」

ユフィを傷つけられて激昂し、暴走しかけるアニス。リュミ様の助けもあり、なんとか暴走は食い止められたが、アニスの心には耐えられない苦しさがあった。愛する人が苦しみを無理矢理飲み込もうとしている。それを黙って見ていることなんて耐えられない。それはかつて、望まない王位継承に苦しむアニスを見ていることしかできなかった頃のユフィの気持ちそのものだった。自分を想ってくれるユフィがどれだけ辛い思いを抱えていたのか理解して涙を流すアニスに共鳴して、私の涙も止まらなかった。しかし、だからこそお互いの想い合う気持ちも強く理解できるユフィアニ。痛みを伴って刻み込まれるそれは傷であると同時に、紛れもない愛でもある。呪いでもあり、祝福でもある。だから、2人なら大丈夫。それに2人は、2人だけでもないのだから。


⑥「私は自分に出来ることをします」

アニスとユフィの思いを肌で感じたレイニは、決意する。2人の助けとなるべく、仲間を集めて力を尽くす。気弱な令嬢だった頃の彼女からすれば、本当に強くなった。レイニの成長と、その後の活躍が眩しすぎて、また涙が溢れてしまった。


⑦「ーーされど、私たちに裁きを与えてくれる者たちが貴方様で良かった」

西部の貴族のトップ、ローシェンナ侯爵。最初は悪知恵の働く老獪かと思ったが、彼も自分の無力さに自分から何かを変えることを諦めてしまった弱い人間の一人だった。彼の犯した罪は消えない。しかしその去り際は潔かった。アニスとユフィが終わらせるべき、古きパレッティア王国の象徴。しかしそれも完全な悪というわけではなく、確かな誇りもあったのだと感じられた。それはそれとしてアニスとユフィを苦しめてきた腐った貴族どもがバッタバッタと薙ぎ倒されていく様は痛快だった。スカッとパレッティア。


⑧「だから、私は私の価値を認めさせに行くよ」

様々な意味を持って開催される武闘大会。パパ上たちの旧交を深めるシーンも見どころではあるが、やはりアニスの宣言には心が震えた。王族でありながら魔法が使えないことにずっと劣等感を抱いて、王族ということ以外に自分になんの価値があるのかと叫びをあげていたアニスの言葉。それは自分の価値を認めてくれたユフィをこれ以上傷つけさせないための、ユフィの隣に相応しいのは自分だけだと認めさせるという決意。誰かを大事に思う余り自らを傷つけてきたアニスが、「自分も含めて、人を大事に思うこと」が強さの一つだと答えたことと合わせて最高に胸が熱くなった。


⑨「ユフィの覚悟を馬鹿にするな、恥を知れッ!」

アニスを侮辱しただけでは飽き足らず、ユフィの覚悟さえも馬鹿にした腐り貴族を完膚なきまでに叩きのめしたシーンもスカッとパレッティア。


⑩「ーーこうなるのが自然の摂理だと、そう言い張れるぐらいに私は貴方を愛しています。」

ユフィ視点で語られる、アニスへの深い愛情。

本当に最高でした。ずっと泣いてた。

これ以上、言うべき言葉はありません。

ありがとうございました🙏


改めて、私は転天が大好きだと確信しました。

転天は人生を豊かにしてくれる。


これからも転天を応援し続けます🧹🌈