トラペジウム、観ました。


ちなみに観る前の感想

「私が観るものではなさそう」

「人肉のハンバーガー🍔」


そして観た後の感想

「全然ふつうのハンバーガー🍔 わりと美味しい」

「アイドルの物語であるのは確か」

「青春アレルギーでもいけるけど、夢がない人間に夢を見させるほどの力はない」

「絵と音楽は文句なし」

「羊ちゃん(羊宮妃那)とうえしゃま(上田麗奈)すこ」


こんな感じ。


以降はネタバレ含むのでご了承ください。

パンフとか買ってないのですべて私の主観です。




これはアイドルを目指す1人の少女の物語。


主人公、東ゆうについて。

性格悪いとか言われてるけど、確かに自己中心的ではあっても、このくらいの少女なら当たり前の範疇。大人の物差しで測るのはよくない。

プロデューサー向きって感想を見かけたけど、全然そんなことない。アイドルのリーダー向きだと思った。小学校時代の過去話や、少し出てくる高校でのシーンで仲の良い友達が出てこないことから、社交的ではないと推察される。カナダに住んでいたこともあるが、英語が得意という要素にしか関わってこない。カナダでも友達が作れずに勉強ばかりしていた可能性は高い。それであれば他者を慮ることができるスキルがあるとは思えないし、だから友達がいないのか、友達がいないからそうなったのか、難しい問題だ。

しかし、自分で目的を設定して行動する能力に秀でている。そしてチャンスに巡り合う運と、それを掴み取ろうとするチカラを持っている。プロデューサー向きという意見は、おそらく東西南北(仮)の他のメンバーを見出したところからだろうが、外面しか見ておらず、そんなことは猿でもできる。東西南北のコンセプトも高校生であれば思いつける発想の域を出ない上に、それを実行するのも若さだ。それでも魅力的なメンバーに恵まれたのはまさしく運の良さであり、行動したからこそ得られたもので、それはアイドルには重要な才能とも言える。その上できちんと努力もできる。アイドルのオーディションに落ち続けるように自己プロデュース力は低いのかもしれないが、そもそも自己肯定感の低いキャラと思われるので致し方ない。

彼女が行動する前のルーティーンとして、首元を触るような仕草が描かれている。これは推測だが、脈を測る仕草に似ている。つまり自分の血流、ひいては鼓動を自覚することで気持ちを整えているのかもしれない。作中には鼓動のような音声の演出もあるので感心した。


西の星、くるみちゃんについて。

羊宮妃那ちゃんは可愛い。

アイドル活動を続けるうちに心を狂わせる少女。羊ちゃんの演技が本当に素晴らしい。

それはそれとして、外見が可愛い女の子が、みんなアイドルに向いているってことではないことを証明するファクターとしての役割はわかりやすかった。


南の星、華鳥蘭子について。

個性の塊。可能性の獣。

歌が苦手設定ならCV上田麗奈はダメだろ。めちゃくちゃ上手いもん。

それだけ強いキャラクターを持ってる上に、金持ちのお嬢なので物語では重宝するタイプの便利キャラ。チートかよ。しかし彼女の(家の)経済力をみだりに乱用する感じでもなかったのは良かった。


北の星、亀井ちゃん。

東と昔同級生だったみたいな流れでボランティアに勧誘してくるもんだから、新手の宗教信者かと思った。実際は東ちゃんに昔救われて前を向けた、ファン1号の少女だった。東のファン1号は車椅子のサチちゃんだと思ってたから少し驚いた。


本作の好きな点として、キャラクターと、その役割、使い方が挙げられる。私がアイドルアニメに求める重要なファクターがキャラクターであるからだ。楽曲やライブシーンのクオリティーよりも、観るものが心を奪われるようなキャラクターがいないと、それはアイドルアニメとは言えない。

一番好きなキャラクターは当然、華鳥蘭子だ。

しかし、東も嫌いにはなれない。

強烈な才能をもつキャラクターには嫉妬してしまう。私は東に、嫉妬してしまった。15歳という幼さで、私が一番欲しいと思えるものを全て持っていた。年相応のそれは、確かに私には眩しく、目に毒だったのかもしれない。


本作の嫌いな点だが、正直、ない。


だから私はこの作品を、より多くの人に観て欲しいと思った。


最後に、非常に個人的な好きポイントだが、数年前に房総半島をぐるっとめぐる旅行をしてたので、登場する駅やお城🏯が行ったことあるところばかりなのが面白かった。

オタクは聖地巡礼いくと、きっと楽しいぞ。