日本の武道では、型を重視します。型を反復練習することにより、一連の動作が無意識にできることを目指します。つまり、「無心」になるためです。スポーツウエルネス吹矢の型と言える、「基本動作」のポイントを述べてみたいと思います。「基本動作」を反復練習することで、一連の動作を習慣化し、「無心」を目指してみましょう。
1 礼をする
・的の正面に立つ。筒の先端と床の間を5センチ位離し、かかとを揃え、ひじは曲げない。
・礼は、上体を真っ直ぐ伸ばし、30度位(目線は3m位先)倒す。この時、筒を床に垂直に。大きく動かさない。
2 構える
・両足を肩幅程度に開き、スタートラインに対して斜め45度位に、半身の自然体で立つ。
・筒を水平に保ち、矢を取出し、矢が隠れる程度に、静かに入れます。投げ入れるような入れ方はしない。
・両手の幅は肩幅程度、両腕をさげ指先が床を指すように持ち、目線は自分の正面、目の高さの一点を見る。
3 筒を上げる
・鼻から息を吸いながら両腕手指を伸ばし、3秒で頭上まで。・目線は自分の正面の一点に定めて動かさない。
4 息を吐く
・腹式呼吸の健康効果を最大限に引き出すため、息を吐く時は、お腹をへこませるようにしながら、すべて吐き切るつもりで、「細く長く」吐きます。
・口笛を吹くような口の形にすると「細く長く」吐きやすくなる。前かがみにならず、呼吸音を立てない。。
・両腕を9秒位かけて下までおろし(指先は床に向けます)、一呼吸おかないで、すぐに顔を的に向けます。スポーツウエルネス吹矢は、動作と呼吸を常に滑らかに連動させます。分断された動作と呼吸では矢の的中が安定しません。
5 息を吸う
・的を見たまま、鼻から息を吸いつつ、筒を体の近くで水平に持ち上げ、筒を的に向け口にくわえる。
・筒先が的にほぼ定まる時、息も吸い終わるようにします。このとき筒先をシャクリあげない。
・右手:筒の口元に軽くそえます。(筒を軽く握っても結構です)。
・左手:肘にやや遊びを持たせ(120度位)手のひらに筒を乗せる。
・目線は終始、的をとらえています。あくまで両眼で的の中心を見ます。
・なお、息は実際には肺に入っているのですが、腹に溜めるような気持ちで吸います。この腹とは、昔から「丹田」と呼ばれている「へその下あたり」のことです。心身の力(気)を集める重要なところです。
6 吹く
・的をよく見て、1・2・3のタイミングで「短く一気に」吹く。
・吹いた瞬間に「下腹がへこむ」のを実感するように。
7 息を調える
・目線は的に残し、筒は両手をゆっくりと自分の正面に押し出すように。(前へならえ)。高さは、目の高さ。
・目線を(顔を)自分の正面にもどし、息を吐きながら、両腕を6秒位かけて、下までおろす。
8 礼をする
・大会や試験審査の場合など、数人一緒に吹いている場合は、早く吹き終わった人は、 一礼後、静かに約1m下がって、全員が吹き終わるまで筒を持ったまま待ちます。