ようやくわかったこと | 陽萌心智の数字教室

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時は数なり Time is number

 

5月21日 日曜日

1週間遅れの母の日のお祝い

 

母親の話をきちんと聞くことができたのは

もしかするとこの日が初めてだったのかもしれません

 

 

私の住む地まで電車でやってきた母

待ち合わせ時間よりも

1時間くらい前からいることは

行かなくても分かります

 

人が行き交う大きな駅の改札口

きょろきょろと

私を探している母の姿がありました

 

足の悪い母

杖を手に持ち

背中にしょった小さなリュックに

パンパンに詰まった荷物

 

『これ、ともにお赤飯とおかず作ってきたからね』

声がかすれているので

風邪なのか聞くと

2日間寝不足だと

 

『あれも作んなきゃ これも作ってもっていかなきゃ

と、あれこれ思ったら眠れなくって

今日も2時から起きてお赤飯をふかしたり色々して』

 

いつも会うときは

必ずこうしてたくさんのご飯を作り、持参する母

 

小さな頃から溺愛で

一緒にいては自分がだめになる 

私は23歳の時、母から離れ

この地にやってきました

社会人になってからも、結婚してからも

一人になった今でも

この愛情が続いています

 

あることで母に反発し

約10年間母に会いに行きませんでした

それでも母は

『いつでも待っているから

ともの好物を作って待っています』

別れた夫(私の父)へ

私宛の手紙を送り続けていました

 

お金をいつも包み送ってくる

まとまったお金も送ってくる

物やお金を送ってくるその行為が本当にいやでした

 

そんなお金は使いたくないのに、

そのお金を結局使ってしまう自分もいやで

『もう自立しているのだからやめてよ

どうして?もっと自分に使ってよ』

そういっても聞かない母でした

 

私は母親を心から理解しようとしたことはありませんでした

 

この日

外に広がる景色を眺めながら

ゆっくりと二人で食事をしました

何度も聞いたことがある話も、初めて聞く話も

素直に聞いている自分がいました

不思議な感覚がありました

『こんな感覚初めてだな』

 

大人になった私は

自分を大人だと勘違いをし

何もかもわかっているのは自分と、

母親を子供扱いしていました

そんな自分が一番愚かだったことが

ようやくわかりました

 

母がいつも言っている言葉をその日初めて心から

そのとおりだ と思えました

 

『人は心が大事』

 

もう何度も何度も聞かされてきた言葉だけど

反発したり、認めなかったりで

素直にこの言葉を聞いたことがなかった事を

思い知らされました

 

なぜなら自分は今、こう思って生きているのです

 

『人は心が大事』

 

私の本名はともこです

 

今までのともこから

本当に自分に素直になって人生を歩みたい

今までの流された道ではなく

反対に戻ろう 本当のともこに戻ろう

と思いました

 

書くことがすき

どんな名前で書いていこう

そうだ ならば反対にして

ともこ から、ことも にしよう

 

心の赴くままの自分でいたい

誰かの心のともでありたい

これからは心から本当のともこになろう

 

名前を 心智 に決めました

 

電車の改札口に入っていった母の小さな後ろ姿

足を引きずりながら進み

何度もこちらを振り返り笑顔で手を振ってくる母

 

母と父がいて、母が私を産んでくれ

育ててくれて今の私がいる

もちろん感謝していると

わかったつもりでいました

ただの

わかっているつもり

でした

 

母の後ろ姿を見ながら

私を生んでくれた感謝

育ててくれた感謝

初めて心からそう思える自分がいました

 

袋の中の赤飯の横には

いつもの様に、ぽち袋が添えてありました