☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°


皆が歌って盛り上がっている中、
名織先輩とカラコ先輩の会話は続きます。


たまたま近くに座っていたから聞こえた会話…




himeは表情を曇らせ、会話に聞き耳をたてました…

どうせ、聞いてショック
┛)"O"(┗

を受けるんだから、
聞かなきゃいいのに…




聞きたくなっちゃう乙女心…?
(>_<;)





名織先輩:『でもさぁ~、もし本当なら、
       よっしぃーもスゴイよね。』


よっしぃーとは、男子バスケ部の部員で、
名織先輩と同じクラスの先輩です。


目立つ先輩では無く、
レギュラーでもないので、
himeも関わりが無く、
話したこともありません。


何故ここによっしぃー先輩…?


himeだけではなく、
奈月も同じように思ったようで…



奈月:『M先輩、どぉかしたんですか?
    よっしぃー先輩が関係してるんですか?』


himeが聞きたいことを、ズバッと聞く奈月。


頼もしいと言うか…




やや、おばちゃん…?
Σ( ̄□ ̄;|||




名織先輩とカラコ先輩は、悪戯っぽく笑い、
奈月とhimeに耳打ちするように、
こっそり教えてくれました。



『Mとよっしぃー、実は付き合ってるんだよ~


知ってる人は少ないみたいだけど。』



!!!!!!



\(◎o◎)/



なんですってぇ~???




(`ε´)





奈月とhimeは、驚きと怒りで、目を丸くして、
先輩に詰め寄ります。



奈月:『えぇ~?知らなかった~!
    いつから、どっちからですか?』


冷静な質問を返す奈月は大人だと思いマス…



カラコ先輩:『詳しくは教えてくれないんだけど、2ヶ月位前かな~?


        Mが告ったみたい( ´艸`)

        あのこ、結構積極的だからね~』



2ヶ月前…





って、

himeが良ちゃん達が通う塾に行った頃…


あの日、himeと良ちゃんが帰って、奈月はM先輩と話した…



その時、はっきり言ったはず…



良ちゃんが好きラブラブ





って…





ドォイウコト…?



テンパってるhimeにお構い無く、
先輩達と奈月の会話は続きます。




名織先輩:『奈月もMのコウノトリの噂聞いたでしょ?』



慌てて奈月の顔を見ると、奈月は表情を変えること無く、





『聞いたことはありますけど…本当なんですか?』




名織先輩:『本当かどうかはわからないんだけど、
       本当なら、よっしぃーもやるよね~』





何?なに?ナニ?





話に付いていけないhimeに、カラコ先輩が解説を行ってくれました…



『今、M、学校来てないんだよね。

表向きは、怪我で学校来れないってことになってるんだけど、

誰も怪我のこと知らないの。
部活で怪我したんなら、誰か1人位気付くはずでしょ?
誰も知らないなんて、有り得ない。
それが理由かどうかはわからないんだけど、
Mに妊娠の噂があるのよ…』



衝撃的でした…




赤ちゃんできたの…?



当時、M先輩は中学2年生。


14歳…




himeの周りにも、
H経験者なんていっぱいいました。
小学生で初H済ませた子もいましたし、
援交してる子もいました。
二股もいたし、
一夜だけ…って子もいました。



でも…




『妊娠』って言葉が、
こんなに身近な所で出てくるなんて思ってもいませんでした。




当時の避妊の知識なんて、今思えば、薄っぺらいものです。

でも…



こんなに身近に、
妊娠と言う2文字が降ってくるなんて…



M先輩がよっしぃー先輩と付き合っている事実以上に衝撃は大きく、その後の会話は全く頭に入りませんでした。

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

試合当日。


朝から気は重く、


絶え間なく、溜め息…



C= (-。- )




家を出る時も、
電車に乗る時も、
学校に着いても、
ユニフォームに着替えても、


溜め息しか出てこない…
(*´ο`*)=3



溜め息と共に生気まで抜けたのか…


頭はボーっとするばかり…ダウン




この日、


himeはスターティングメンバーに選ばれ、

後半戦では奈月も試合デビュー

(o^-')b


練習試合ではあるものの、
初めて一緒に試合に出れ、





本当は…





すごく




嬉しくて嬉しくて
堪らないはずなのに、

笑顔になれない…




この後、M先輩と会うと思うと、

気は滅入ってくる…
o(´□`*)o




いくらhimeが足掻いても、時は着々と刻まれるわけで…


いつしか試合は終わり、
皆はウキウキしながら、お片付け。


周りに合わせて、
必死で笑顔を作っても、
心の底から笑えない…

笑えば笑う程、

疲れるのがわかる…DASH!




☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°



片付けを終え、
皆でカラオケマイクへ向かう。



貧乏学生にとって、
パーティーするには、とっておきの場所。


フリータイムで入ればお安いし。



一番大きな部屋に、
ワイワイと人が集まり、

宴会女王の名織先輩の掛け声で乾杯!
(* ̄∀ ̄)ノ■☆■ヾ( ̄∀ ̄*)


次から次へと曲が入り、

場は大盛り上がり。



なんとなく、


その場の雰囲気に流され、

himeも楽しみ始めた頃…







女王 名織先輩が、

『M(先輩)は来ないの?』

と…。



唐突にM先輩の話題となり、鼓動は高鳴ります…



『今日はパスって。まだ調子良くないみたい。』

そう答えるのは、通称カラコ先輩。

本名は「幸子」なんだけど、
M先輩が間違えて、「辛子」と書いてしまったから、
という理由で付いたニックネーム。

珍しい間違えです…(^_^;)



カラコ先輩はM先輩と1番仲良し☆

に見える先輩です。


1番仲良し…



ずっと、そぉ思ってました。



この時までは。



カラコ先輩:『メールは返ってくるんだけど、電話出ないんだよね~。
やっぱ、マジなんじゃな~い?』


すかさず、名織先輩が食らい付く。


『マジっ?
カラコ、何か情報ゲットしたの!?』



カラコ先輩:『わかんないけどさぁ~
もし本当なら、早過ぎじゃな~い?

多分付き合い始めて、まだ、2ヶ月位のはずよ ヾ(‐ ‐;)』



この言葉に奈月は、
hime以上に食いついたのでした…





2ヶ月…





やっぱり、M先輩と良ちゃん、




付き合ってるんだ…





(´□`|||)




一気に奈落の底に落とされた気がしました…

明日から鹿児島で、
学会が開催されます。

とても大きな学会で、
たくさんの方がお集まりになると思います。

himeの旦那さんは、
ギリギリまでスライド作成に終われ、
ここ数日、姿を見ていません…




(-.-;)







多分…



生きていると…





思われまするぅ…






┐('~`;)┌



ってなワケで、
himeも鹿児島行ってきます



旦那とは全く異なるセッションですが、
共同演者として発表予定です。


鹿児島に行くのは、
生まれて初めてで、
朝からテンション上がりまくり ( ̄ー+ ̄)音譜



現地で旦那と合流予定ですが、


それよりも




何よりも






黒豚と、




さつまあげと





きびなごが




楽しみですドキドキ







あ、




あと、




白熊も…。







演者ではないhimeは、

余裕シャキシャキで、
食べ物の事しか
思い付かず…


『妊婦だから』


を、


言い訳に

(言い訳になるわけないのですが…)


鹿児島食ツアーを楽しんでこようと思います(*^o^*)


もちろん、
ドル箱Myボスを誘って…


(^∇^;)



行ってきます★

(*^_^*)

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

それから毎日、
部活に行きました。


放課後になると、
奈月が必ずhimeの教室まで迎えにきてくれ、
一緒に部室へ…



1人で皆のいる部室に入るのは、正直辛かったので、

奈月の気遣いは本当にありがたく思いましたべーっだ!べーっだ!べーっだ!



その上、
日が経つに連れ、


先輩達が少しずつ、
口をきいてくれるようになりました。


最初は、練習内容や
プレーに対する注意・指導、

次第に世間話や談笑をするようになり…



先輩達と話していると、
必然的に同級生も話しかけてくれ、


部活内だけでなく、


普段の休み時間や放課後も…



徐々に、




本当に少しずつですが、




以前の環境を取り戻し始めていました。





☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

部活に復帰して、
2週間が経つ頃、


学校では終業式を迎え、


世の中はクリスマスムードクリスマスツリー一色になっていました。



明日、23日は練習試合。


部室では、明日の試合に備え、



それはそれは
真剣にミーティングが行われて…



て…




ませんでした(>_<)





終わったら、打ち上げも兼ねてプチパーティー♪♪♪

と、
早くも試合終了後の話で盛り上がってました。


しかも部員全員で。


明日の試合、大丈夫…?


なんて思ってる人なんていなかったと思います。


その位、部室では、
フィーバーしてたのです。



そんな時なのに、ある先輩の一言が、

himeの顔を曇らせました。




先輩:
『M(先輩)には、
私が伝えておくね
(o^-')b』





(・_・)エッ......?




今…何と…?



おっしゃいました…?



不意にアッパーくらってしまったhimeは、



目眩がするかと思った位です…








そぉだよね…


皆でパーティーって言ってるんだもん…


M先輩に声を掛けるのが当然だよね…


不意にM先輩を思い出すと、


心の中が渦巻くような…


それと同時に
何か大事な物を盗られた様な…



複雑な気持ちになってしまいました…




最後に会ったのはいつだったかな…?


すごく久しぶりに会うんだ…



気分はすっかり

滅入ってしまい、


試合のことなど考える余地は無くなってしまいました…

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

体育館に1歩足を踏み入れれば、

そこには懐かしい光景が
広がっていました。


あれ以来、ずっと避けてきた、この光景…




入り口に最も近いコートでは
バトミントン部、

真ん中のコートではバレー部、


そして…





1番奥のコートでは
バスケ部が練習している…




シャトルを打つ音や、
元気な掛け声、


サーブを打つ音に、
床に叩き付けられた
スパイクの音、



その中に混じって、

バスケの特徴的な音…





バッシュが床に擦れた時に聞こえる、


『キュッキュッ』という
甲高い音が鳴り響いていた…




世の中は真冬だと言うのに、
体育館の中は熱気に包まれ、


ほとんどの人が、
半袖で練習している…

微かに漂ってくる、少し汗臭い香りも、

この時のhimeには、
懐かしく感じました。



既に練習は始まっており、
誰一人、himeに気付く人はいない…


ここまで来たんだからっ!!

と、ありったけの勇気を絞り出し、

奥のコートへ向かう…




極度の緊張に見回られながら、1歩1歩向かい、

コート脇で練習を見ている顧問の先生に挨拶に行く。


先生は、いつもの口調で、

『遅いっ!

遅刻は全員に迷惑をかける。
今後気をつけるように。
まずは、アップしてこい』

と言いました。



今日は、あえての遅刻…


練習の最初から
参加する勇気が無かった…

皆がいる部室に入る勇気がなかった…


先生の言葉に、少し落ち込みながらも、
言われた通り、
コート脇でアップしていると、





さすがに、女バスの部員全員がhimeに気付いたようでした。



チラチラとした視線を感じながらの、フットワークは、心拍数を早めます。


今まで練習していなかったからなのか、
部員の視線に緊張したからなのか…



今までに無いくらいに息が上がってしまいました。





やっとの思いでアップを終えた時、
コートでは、2vs2 のコンビ練習を始めるところでした。




長い間、練習に参加していなかったし、

とりあえず、個人練習をしようと

ボールを持ち、
皆とは、少し離れた場所に移動しようとした時、

キャプテンがhimeを呼び、himeは先輩チームに入ることになったのです。



練習中は真剣そのもの。


おしゃべりをする余裕など無く、


(そぉ思いたい…

先輩が話しかけ無かったのではなく、


無視していたのではなく…


真剣だったから、

だから、おしゃべりなんてしなかったんだと…)






やっと奈月と話したのは練習終了間際のことでした。




奈月:『M先輩、ずっと学校来てないみたい。

    休みの理由も本当はケガじゃないらしいよ。

    どぉしちゃったんだろ~ね』



今は会いたくない位にM先輩を嫌っていましたが、


そんなこと言われると心配になってしまいます。


本当は、ただの風邪かもしれないし、

本当にケガかもしれない…



でも、なぜか、

それは違う気がして…




でも、それはただの勘。


himeの想像に過ぎないのですが、


なぜか、



違う気がして…





himeの学校では、
練習の最後に1人シュートを50本決めた人から終わるという、

結構ハードな練習メニューがありましたが、

シュートを打ちながらも、
頭の中はM先輩でいっぱいで、



機械的にシュート練習をこなしていました。


なんと無く違う気がする…



良ちゃんが関係してるんじゃないかな…


嫌でも考えのベクトルはそっちを向いてしまい、


何度も方向転換を試みても、


結局最後には、そこに辿り着いてしまうのでした。