中原淳一ショップ「それいゆ」の19年 | ひまわりやブログ -中原淳一の美しい言葉-

中原淳一ショップ「それいゆ」の19年

 

 

2023年12月26日、午後7時40分。

 

 

広尾の中原淳一ショップ「それいゆ」は無事に最後の営業を終えました。

 

 

閉店を発表してからの2ヶ月間は、開店当時からの顧客様はじめ、

 

 

様々な形でこれまでご縁があった方々、熱烈な淳一ファンの方々、

 

 

本当にたくさんのお客様がお店に愛を運んでくださって、

 

 

スタッフ一同、おかげさまで幸せな時間を過ごすことができました。

 

 

心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

「それいゆ」が広尾に誕生したのは、今から19年前、2004年の夏でした。

 

 

これが開店当初のお店です。

 

 

まだまだ、商品の種類も少なかったですね。

 

 

 

 

 

当時、ひまわりやの社長だった、今は亡き夫(淳一の次男)の中原蒼二が、

 

 

何か、ファンの方たちの拠点となれるような場所があればと考えて、

 

 

昭和の初期からグッズショップを開いていた淳一さんにあやかって

 

 

お店を作ることに決めたのです。

 

 

なんのノウハウもなく、

 

 

それなら何か、お店で売るものを作らなくちゃね、というところから始めた

 

 

私たちでした。

 

 

 

 

 

お店のデザインは蒼二が考えたもの。

 

 

白い壁と柱に赤いドア、

 

 

入り口から店内へと続く白い鉄平石を貼った床。

 

 

これは昭和33年に淳一さんが代々木八幡に建てた家のデザインを

 

 

取り入れたのです。

 

 

 

代々木八幡に引っ越す前に江古田に住んでいた頃、

 

 

小学生だった夫や夫の兄が庭で野球をしたり自転車に乗ったりして

 

 

芝生をダメにしてしまって淳一さんに叱られたことがあり、

 

 

もう芝生はダメだという淳一さんの発案で、

 

 

新居は鉄平石を貼り詰めた庭にしたのだそうです。

 

 

 

当時の「それいゆ」や「ジュニアそれいゆ」の写真ページを見ると、

 

 

その庭で撮影されたものがたくさん出てきます。

 

 

お店の床の一部を鉄平石にしたのは、そんな想い出を再現したものでした。

 

 

 

 

ファサードのテントや床石は、

 

 

これも淳一さんが好きだった等間隔の黒ストライプ。

 

 

そして赤いドアは、代々木八幡の新居も、昔の淳一さんのお店も、

 

 

ドアは赤だったところから。

 

 

 

 

昭和初期に淳一さんのお店に通う女学生だったというおばあちゃまが

 

 

広尾のお店にいらして、

 

 

ここに来ると昔の淳一さんのお店にいるみたい、と言ってくれた時は

 

 

本当に嬉しかったですね。

 

 

 

昔の店については、夫ももちろん生まれる前のことで、

 

 

私たちはモノクロの写真しか見たことがなかったし、

 

 

でもそのお客様の言葉で、

 

 

淳一さんのお店の何かを引き継ぐことができているのかなと

 

 

思えたからです。

 

 

 

あのころ、

 

 

まだ広尾商店街にはスターバックスもペットショップもコンビニもなくて、

 

 

歴史のある昔ながらの商店が多い、懐かしい匂いのする通りでした。

 

 

「それいゆ」のおとなりは床屋さん。

 

 

お向かいは商店街の中では新しかったアパレルショップでした。

 

 

 

淳一さんと広尾には特にゆかりはなかったけれど、

 

 

お年寄りから若いカップル、子供たちまで、

 

 

誰もが居心地良さそうに歩いているこの通りの佇まいが、

 

 

淳一さんに似合う、と思えてここに決めました。

 

 

 

 

商店街からの移転を余儀なくされたときも、

 

 

同じ広尾に場所をみつけることができて、

 

 

場所は変わっても同じお店のまま再現するよう努めることができたのは

 

 

幸せなことだったと思います。

 

 

 

 

 

 

あっという間というには長く、長かったというには短い19年。

 

 

このお店で働いてくれた歴代のスタッフの皆さんをはじめ、

 

 

商品を作ってくださった方、お店の入口をいつも可愛い花で飾ってくださった方、

 

 

そして全国から足を運んでくださったたくさんのお客様。

 

 

想い出はつきません。

 

 

応援してくださったすべての皆様に、

 

 

心よりの感謝を捧げます。

 

 

本当にありがとうございました。

 

 

願わくば、皆様の心の中に、いつまでも「それいゆ」の想い出が残ってくれますように。

 

 

またいつか、どこかでお会いしましょう。

 

 

 

 

$中原淳一応援ブログ

 

 

思い出は誰でもがもっているもので、

過ぎ去ったことを、何かの折にふっと思い出すだけのことだと考えてみても、

それは皆あなたたちの過ぎ去った日の生活だということを考えてみましょう。

 

今あなたたちが何気なくしている生活も、

これから幾年かを過ぎた日には、

思い出としてよみがえってくることにもなるのです。

 

そんななつかしいはずの思い出が、

みんな不愉快なことや、忘れてしまいたいようなこと、

嫌なことばかりだったら、どんなに悲しいかわかりません。

 

美しい楽しい思い出を、持つためにも、

あなたは今、美しい楽しい生活をしてください。

 

 

中原淳一