淡路恵子さん「それいゆ」の頃
11日に癌のため亡くなられた淡路恵子さんは、
1950年代の「それいゆ」に頻繁に登場していらっしゃいます。
この写真は1953年(昭和28年)の冬号のグラビア。
「大好きな」銀座でのショットです。
すでに映画界のスターで、
「もっとも新しい感覚の個性的な美貌の持ち主」と紹介されていますが、
このとき、まだ20歳くらい。
信じられないくらい大人ですね。
もう少し可愛らしいかんじなのがこちら↓
1955年の冬号。淳一デザインのドレスです。
この時代に、日本人離れしたスタイルで
洋服を着こなし、本当におしゃれだった淡路さんを
淳一さんはとても気に入っていて、
こうしてよく「それいゆ」に登場させていたのです。
22日、青山斎場で告別式。
心よりご冥福をお祈りいたします。
「おしゃれなひと」とは、
どんなひとでしょう?
それは美しくありたいと思う心が、
ことさらに強いひとのことです。
それでは、おしゃれなひとというのは、
みんながみんな人の心を魅くような、
美しくなれる効果を知っているのでしょうか。
いいえ、美しくありたいと言って
いくらお金をかけても、
チグハグなものを身につけていたのでは
苦心して飾ったことばかりが目立って
却っておかしいし、
上手に扱ってこそ、本当に
効果をあげることができるというものです。
どんなにお金がかけられなくても、
上手に美しい効果を見せられるひとは、
やはり天才かもしれません。
しかし、天才が努力しないよりも、
むしろ天才でないひとが、
どうしたらほんとうに美しくなれるかを
研究する方が、
却って天才を凌ぐことも多いのです。
中原淳一