振袖、バイト代で買ったなぁ。

貯めてたとかじゃないから偉くはないけど。

(訳有って奨学金申し込めない状況になってから学費払ってたから貯めていられなかった)

変人父がブラックリストに載ってたからパートの母の名前でもローン組めなかったし収入多めにバイトしていたけど学生の私も当然無理で当時のバイト先の1つ個人経営の飲食店の店主に名前を借りようと考えて母と相談に行った。

母もそこで少しパートした事が有るし信用だけは有った。

日本に帰化して少しの台湾ご出身の方。


きょうだいの結婚が近かったから2回は着るのを考えたら買った方がお得で、選んでローンが組めずに困っているのを話した。今思えばその経済状況でローンを組みたいと考えた私がアホなのだけど、マスター(と呼んでいた)はそんな状況にいる私が不憫だと言って名前を貸すとかでなくてその場でママさんに言って現金を持って来て貸してくださった。

「〇〇(私の名前)が可哀想な思いをしたから〈バカにするな!〉て払って来なさい」

条件は「お礼は受け取らない」


お仕立てを待ってもらっていた大手の呉服屋さんに支払いへ行って驚いてたな。勿論ウチが悪いから捨てゼリフは言わなかった。


成人式の年に就職もして返済出来た。


マスターが居なかったら、助けてと言わなかったら振袖着られて無かった。

今でも感謝している。


本当は一生お付き合いしたかったけど

その後新しくて小さめのお店を出してパートでも母メインで働かせてもらったら考え方の違いとかで辞める事になって疎遠になってしまった。


花(娘、仮名)は成人式が済んでいる。

花が10代後半でダンナさんは自死したけれど生きていたら買ってあげてたよな、と思って生命保険から振袖代は別にしておいて花には「パパが買ってくれたと思いなさい」と言った。


振袖1つ

着られるのが当たり前と思っている子も多いし着るのを諦める子もいるし着たく無い子もいるし

それぞれです。


私は出来れば当たり前の様に買ってもらえる家で育ちたかった。


下を見て「着られない子より良かった」と思うのではなくて、多くの友達の様に好きな物を買ってもらいたかった。


昔話です。

成人の日の意味は正直よく理解していない。

着飾って地元の子達に会う日、、な感覚。


花の成人式の時も私は乳児院や施設に頼って育てていただいて苦労もしていないから「成人式だなぁ」と言う感慨深いモノも無かった。


それでも一緒に歩いていれば見知らぬ方々からも

「おめでとうございます」

と言っていただいたのは嬉しかった。


なので全国の成人式を迎える方々には

「おめでとう」と言いたい。

祝えない地域の方々が居るから複雑だけれど。




では、また。