『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』心に沁みるドキュメンタリー作品。 | himawari's diary

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鑑賞日 2024年3月4日(月)
 
 
製作年 2023年
 
製作国 アメリカ
 
言語 英語 日本語字幕
 
尺 101分 
 
公開日 2024年3月1日(金)
 
原題 Little Richard: I Am Everything
 
配給 キングレコード
 
 
スタッフ
 
監督・製作 リサ・コルテス
 
字幕監修 ピーター・バラカン 
 
 
主なキャスト
 
ミック・ジャガー
ポール・マッカートニー
キース・リチャーズ
デイヴィッド・ボウイ
エルヴィス・プレスリー
ジョン・レノン
トム・ジョーンズ
ノーナ・ヘンドリックス
サー・レイディ・ジャヴァ
ビリー・ポーター
ナイル・ロジャーズ
ジョン・ウォーターズ
チャールズ・グレン
シスター・ローゼタ・サープ
ビリー・ライト
エスケリータ
ヴァレリー・ジューン
コリー・ヘンリー

ジョン・P・キー

チャック・ベリー

ボー・ディドリー

ファッツ・ドミノ

 

 
概要
 

ディランもビートルズもストーンズも! ボウイもフレディもプリンスも! JBもジミヘンも!そしてプレスリーまでもが 彼に憧れ、敬愛し、真似た!!


リトル・リチャード。1950年代半ばに彗星のごとく音楽シーンに現れ、後進のロック・ミュージシャンに多大な影響を与えた伝説的黒人アーティスト。ミック・ジャガーは「ロックンロールはリトル・リチャードが始めた」と語り、エルヴィ ス・プレスリーは「彼こそロックンロールの真のキングだ」と称賛。ビートルズのデビュー前から親交があったジョン・ レノンは「初めて会ったとき、畏敬のあまり、硬直してしまった」と言い、ポール・マッカートニーは「歌で叫ぶのはリチャードの影響さ」と語る。はたして彼はいったいどのような生い立ちを経て、その名を世界に刻んでいったのか。豊富なアーカイヴ映像、本人およびその親族や関係者、識者に加え、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ポール・マッカー トニー、デイヴィッド・ボウイら著名ミュージシャンによる証言映像とともにつまびらかにする感動作。

(引用元:公式サイト)
 
 
感想
 
とても心に沁みる、
 
ドキュメンタリー作品です。
 
古い映像がたくさん残っていたのも奇跡的です。
 
都内はミニシアター4館という、
 
上映館が少ないのが残念ですね。
 
 
素晴らしい名曲を生み出し、
 
多くのミュージシャンにカバーされた、
 
リトル・リチャード。
 
ライヴシーンでは、
 
ハスキーな歌声とシャウト、激しいピアノ、
 
パフォーマンスに圧倒されました。
 
 

代表曲の「Tutti Frutti」の本来の歌詞、

 
そしてその意味は別物だったことが
 
赤裸々に語られています。
 
その他、彼が過ごした時代の
 
差別や偏見、信仰、などの中で
 
常に苦悩しながらの音楽活動が
 
どんなものだったかも。
 
 
派手なパフォーマンスとは裏腹に、
 
どことなく寂しさ、孤独さを感じるわけも
 
本作でわかった気がします。
 
 
映画『ボヘミアン・ラプソディ』で
 
フレディのママが
 
「フレディはリトル・リチャーズを聴いていた」
 
と言っていたのがとても印象的でしたが、
 
クイーンもリトル・リチャードの曲を
 
たくさんカバーしていますね。
 
ライヴシーンでリトル・リチャードが、
 
上半身裸になるパフォーマンスがありましたが、
 
こういうのもフレディにいつの間にか
 
影響を与えたのでしょうか。
 
 
デイヴィッド・ボウイが
 
「リトル・リチャードの真似をしたい」
 
と言ったということも印象的でした。
 
 
大ヒットを連発していたのに、
 
突然引退して大学で神学を学び、
 
教会に戻っていたことは驚きでした。
 
ロックを罪深いものとして、
 
ゴスペルを歌っていたとか。
 
引退してから5年後には
 
再びロックで復活するのですが、
 
家族を守るためにお金が必要だったからとか、
 

復活のタイミングは、

 

100%本意ではなかったように感じられました。

 

印税等の支払いに関しての

 

問題も起こっていたとは......。

 

 
ゲイだということで、
 
天国に行けるだろうかと自問自答したり、
 
苦悩したり、迷走したり、
 

そんなに辛かったのかと胸が痛くなりました。

 

女性と結婚していた時期もあったようですね。

 

単なるゲイやクイアでない独特さから、
 
想像できなかったデリケートな部分が
 
あったことも初めて知りました。

 

 

人種差別が関係していたのか......
 
なかなかグラミー賞をもらえなかったことは、
 
白人にも大きな影響を与えた、
 
ロックの先駆者であることを考えると
 
不自然なほど。
 
ロックの殿堂入りを果たしたかと思ったら、
 
交通事故で授賞式に参加できなかったりと、
 
不運なことも多かったよう。
 
そんなことがあった後、
 
功労賞を受賞した時のリトル・リチャードが
 
涙ながらに喜んだのには
 
もらい泣きしそうでした。
 
 
多くのミュージシャンや関係者の
 
インタビューも興味深かったです。
 
みんなのリトル・リチャード愛が
 
溢れています。
 
ジョン・ウォーターズ監督は
 
リトル・リチャードをリスペクトして
 
50年間彼と同じヒゲを生やしているそう。
 
インタビューはなかったけれど、
 
フレディ・マーキュリーやボーイ・ジョージの姿が
 
ちらりと映ったのも感激でした。
 
 
 
こちらのポスタービジュアルもユニーク。
 

 

 

 

上映館が少なくても、ミニシアターの、

 

手作り感溢れる展示はいつも嬉しい。