『命は安く、トイレットペーパーは高い』第24回東京フィルメックス クロージング作品 | himawari's diary

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鑑賞日 2023年11月26日(日)
 
 
製作年 1989年
 
製作国 香港
 
言語 広東語 英語 日本語・英語字幕
 
尺 83分 
 
日本初公開日 1997年6月28日(土)
 
原題 Life is Cheap... but Toilet Paper is Expensive
 
配給 ユーロスペース
 
 
スタッフ
 
監督・脚本・原案 ウェイン・ワン( Wayne WANG )、スペンサー・ナカサコ
 
 
主なキャスト
 
スペンサー・ナカサコ:ヤット・ブーン・ジャイ
 

ロー・ウェイ:Big Boss

 

コラ・ミャオ:Money

 

アレン・フォン:Taxi Driver

 

ヴィクター・ウォン:Blind Man

 

チェン・クワンミン:チェン叔父さん

 

 

概要
 

ビッグ・ボスなる人物に渡すブリーフケースを託されて、サンフランシスコから香港へやってきた青年。ところが彼に会う手だてがないままに、いたずらに時間だけが過ぎていく...。香港ギャングやファム・ファタールが登場する、ネオノワールの設定を借りて構築された“ドキュ・フィクション”映画。ウェイン・ワン監督の冴えわたる演出もさることながら、1980年代後半当時の香港の猥雑な魅力と共に、中国への返還を数年後に控えた状況での政治的・思想的切迫感を否応もなく感じさせるのが興味深い。1989年に製作され、日本ではユーロスペースの配給により、中国への香港返還に合わせて1997年7月に劇場公開された。今回のデジタル修復版はワン監督自身による2021年の最終カットに準拠したもの。オリジナル公開バージョンの35㎜フィルムから4K解像度によるデジタル修復作業が行われ、そこに1996年に香港で撮影された追加映像が組み込まれている。

(引用元:東京フィルメックス公式サイト)
 
 
感想
 
授賞式で盛り上がった直後、
 
クロージング作品(特別招待作品)の
 
『命は安く、トイレットペーパーは高い』が
 
上映されました。

 

 

 

 

 

本編は、デジタル修復がされたものですが、

 

ウェイン・ワン監督の妻・コラ・ミャオ演じる

 

Moneyの赤い衣装や、屠殺場の血の赤が

 

鮮やかでした。

 

 

行き詰まる青年、

 

ぶっ飛んだキャラクター達、

 

香港の喧騒、ラストの衝撃、

 

そして『荒野の七人』のテーマソングが流れ......。

 

どこを切り取っても強烈なインパクト。

 

いつかまた、大スクリーンで

 

鑑賞する機会がほしいです。

 

 

上映後には再びウェイン・ワン監督がご登壇。

 

Q&Aが行われました。

 

 

監督の香港への愛が詰まった作品で、

 

最初は同じく1989年製作の

 

『夜明けのスローボート』のために

 

香港へ行ったそうです。

 

 

リストアに関しては、

 

全てをデジタル化しないように、

 

スクラッチはわざと残して、

 

サウンドも荒々しく、

 

赤をより力強くしたそうです。

 

これらはとても効果的でした。

 

 

街中ではゲリラ撮影を行い、

 

カメラマンが何度か轢かれそうになったとか!

 

 

キャスティングには偉大な監督と

 

スターへのリスペクトがあるとのこと。

 

香港のスター、ブルース・リーを見出した

 

ロー・ウェイ監督など、

 

錚々たるメンバーが出演しています。

 

 

屠殺場のアヒルや、

 

ランニングマシーンで訓練する闘犬、

 

こういったシーンは実際に見たことを

 

参考にしているらしく、なるほど、リアルでした。

 

闘犬は本物で、撮影の2週間後には

 

戦いに敗れ、亡くなったそう......。

 

 

監督はどんなルールでも打ち破るという、

 

ゴダールに影響され、

 

ぶっ壊すことが自分に重要だと思ったらしいです。

 

確かにそれをたっぷり感じる作品でした。

 

 

「楽しい映画祭とここまで残ってくれた皆様に感謝」と、

 

笑顔の監督。

 

 

 

監督から撮影の裏話なども聞かせていただき、

 

とっても充実した時間でした。

 

 

そしてついに今年の

 

東京フィルメックスも終了してしまいました。

 

楽しかっただけに名残惜しい......。