出産前のイメージでは、今頃面会のお客さんの相手をしたり、キラキラした時間を過ごしているはずだった。沐浴指導や母子同室ももうできない。私一人、整った環境で、栄養満点のごはんを食べさせてもらうことが、悲しくて申し訳なくて、ゆづぽんがいなくなった産院に戻るのが、嫌で嫌で仕方ありませんでした。
そんなことを思いながら産院に着くと、助産師さんがすぐに赤ちゃん様子を聞きにきてくれて、病院に持っていくために搾乳しましょうと、段取りをすべて教えてくれました。
全部自分で頑張らないと、と焦っていた私は、話をじっくり聞いてくださるみなさんのおかげで、残りの入院生活を明るく、肩の力を抜いて過ごすことができました。
とはいえ、やはり面会のことも考えて1日早く退院させてもらうことに。夜中も含めた三時間おきの搾乳も、一人病室でするより、夫のいる家で頑張る方がつらくありませんでした。
その後は吐血することもなく、哺乳量も少しずつ増えていったゆづぽんは、数日で保育器から出て、私たちも抱っこや授乳ができるようになりました
恐らく出生時に母体の血を飲んでしまった仮性メレナ。それにしても吐血量が多すぎると心配されましたが、生まれた直後からちゅぱちゅぱ袖を吸い続けた食い意地満点のゆづぽんならありえるかもと私は思っています
アプト試験という検査で本人の出血か、母親の血かわかるそうなんですが、すでに胃液に触れた血では検査ができないということで、検査はできませんでした。
口頭ではもちろん指導いただけましたが、産院で数日一緒に過ごしながら学ぶことができなかったという喪失感が私を必要以上に不安にさせていたんだと思います。
そんな時、やはり救いだったのはNICUの看護師さんたちや先生でした。
お世話の仕方を一緒に練習してくださったこともありがたかったですが、毎日の声かけや、面会時間が終わって帰る時の「またお待ちしてます」という一言に赤ちゃんや家族に対する温かい気持ちが込められている気がして、私もゆづぽんのためにできることを頑張ろう、学ぼうと前向きに通うことができました。
出産後の10日間はバタバタしてあまり記憶がなく、当時のゆづぽんの顔も写真がないとあまり思い出せないけれど、毎日いろんな方にありがとうと思いながら過ごしていたこと、ゆづぽんに会えて嬉しかったこと、帰り道は泣いていたこと、そうした、これから暮らしていく中で大切なことは今も鮮明に覚えています。
先日退院後の血液再検査も問題なく終わりました。
新生児メレナはK2シロップというビタミンKを補うものを服用することで予防でき、今はほとんどの病院で出生時と退院時、1ヶ月検診の時に服用されています。産院にもよりますが、ゆづぽんは3ヶ月間週に一回のペースで服用中です。
一緒に暮らせるようになって、幸せなこともイライラすることもありますが(笑)、もう離れなくてもいいように、健やかに育ってほしいと願いながら今日も子育てに奮闘しています